ドコモが届ける新体感VRライブや未来の暮らし--「DOCOMO Open House 2020」が開催

 NTTドコモは、1月23〜24日の2日間にわたり、5GやAI、IoTなど、同社が開発・提供するさまざまなサービスやソリューションを展示する「DOCOMO Open House 2020」を東京ビッグサイトで開催する。それに先駆ける形で、前日の2020年1月22日に報道陣にその内容が公開された。

NTTドコモは「DOCOMO Open House 2020」を開催。2020年春の商用サービスを予定している5Gをはじめとした、さまざまな技術に関する取り組みを展示していた
NTTドコモは「DOCOMO Open House 2020」を開催。2020年春の商用サービスを予定している5Gをはじめとした、さまざまな技術に関する取り組みを展示していた

 このイベントに合わせて発表された取り組みの1つが、5G時代を見据えたエンタテインメントサービス「新体感ライブ」を、「新体感ライブ CONNECT」へとリニューアルしたことだ。

 新体感ライブは、5G時代を見据えたサービスとして2019年1月18日にドコモが開始したサービスで、スマートフォンやタブレットなどでマルチアングルでのライブ視聴や、ARフィギュアによるライブ配信などが楽しめる。それが今回のリニューアルに伴って、新たに8KVRライブ配信のメニューを追加。5Gによる高速大容量通信を生かし、従来より高精細なVRのライブ映像を配信、バーチャルでの最前列体験が味わえるとしている。

「新体感ライブ」は「新体感ライブ CONNECT」へとリニューアルするとともに、新たに8KVRライブ機能が追加されるという
「新体感ライブ」は「新体感ライブ CONNECT」へとリニューアルするとともに、新たに8KVRライブ機能が追加されるという

 この8KVRライブ配信には、複数台カメラの映像をリアルタイムにつなぎ合わせて360度の映像を生成する「リアルタイムスケッチング」や、映像を複数のタイルに分けて、視聴している向きの映像は高解像度、それ以外は低解像度で配信することで処理負担を軽減する「高効率配信技術」などといった、ドコモの独自技術が取り入れられているとのこと。それらの技術をサーバー上で並列処理することによって、大容量の映像データをリアルタイムに配信できるのだという。

8KVRライブには、リアルタイムスティッチングや高効率配信技術など、NTTドコモが持つ技術をふんだんに活用しているとのこと
8KVRライブには、リアルタイムスティッチングや高効率配信技術など、NTTドコモが持つ技術をふんだんに活用しているとのこと

 そして、8KVRライブを多くの人に体験してもらうため、3月18日にはアイドルグループ「SixTONES」と「Snow Man」によるスペシャルライブを東京都内で実施することも明らかにされた。このライブイベントは都内のイベント会場で実施されるのだが、同時に渋谷ストリームホールにも、5Gを活用してVRライブを配信するライブビューイング会場が設けられるという。

8KVRライブの第1弾として、SixTONESとSnow Manのライブが2020年3月18日に実施されるとのこと。両グループとも発表会当日にCDデビューしたばかりだという
8KVRライブの第1弾として、SixTONESとSnow Manのライブが2020年3月18日に実施されるとのこと。両グループとも発表会当日にCDデビューしたばかりだという

 またそれらの会場に行けない人のため、従来の4Gスマートフォンなどを使ってライブをVR視聴できるサービスも提供される。料金はSixTONESとSnow Manのうちいずれかの8KVRライブと、メンバーのARフィギュア、そしてオリジナルのVRグラスが付属して3300円で提供されるとのことだ。

「Otter」との協業や6Gに関する取り組みも

 この他にも、ドコモはDOCOMO Open House 2020の開催に合わせていくつかの発表を実施している。その1つは「Otter」を提供するAISenseと、日本国内での事業展開に向けた協業で、NTTドコモ・ベンチャーズは同社への出資も実施するとしている。

 OtterはAIを活用し、英語で話した音声をリアルタイム、かつ高い精度でテキスト化してくれるサービスで、世界で100万人以上の利用者を獲得している。ドコモでは、グループ会社のみらい翻訳が提供する翻訳エンジンを組み合わせたサービスを検討しているとのことで、会場ではOtterとみらい翻訳の翻訳エンジンを実際に組み合わせ、英語で話した言葉を日本語へとリアルタイム翻訳するデモが披露された。

海外取材が多いIT系ライターにも愛好家が多い「Otter」との協業も発表。CEOのSam Liang氏が英語で話した内容をリアルタイムに日本語に翻訳するデモも披露された
海外取材が多いIT系ライターにも愛好家が多い「Otter」との協業も発表。CEOのSam Liang氏が英語で話した内容をリアルタイムに日本語に翻訳するデモも披露された

 Otterは英語のみに対応したサービスだが、将来的には多言語対応も検討しているとのこと。その際は技術的ハードルがあるとしながらも、「日本語をサポートすることは間違いなく、最初の外国語の1つにあるべきだと考えている」と、同社CEOのSam Liang氏は語る。

 そしてもう1つ発表されたのが、5Gの次の通信規格「6G」に向けた技術コンセプトだ。ドコモでは2018年より、高度化した5G(5G evolution)と6Gに向けた技術検討や研究を進めており、今回はそれらに求められる目標性能や技術要素、コンセプトなどをまとめたホワイトペーパーが公開された。

 6Gの方向性として、ドコモはさらなる高速大容量通信のほか、1ミリ秒を切る「超低遅延」、空や海、宇宙もカバーする「超カバレッジ拡張」など6つの要素を上げており、会場ではそれらをまとめたコンセプト動画なども公開されていた。

会場内には「6G」の技術コンセプトをムービーで説明するコーナーも用意。5Gが持つ高速大容量通信、低遅延、多数同時接続といった要素を一層強化した内容となるようだ
会場内には「6G」の技術コンセプトをムービーで説明するコーナーも用意。5Gが持つ高速大容量通信、低遅延、多数同時接続といった要素を一層強化した内容となるようだ

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