現代のティーンエイジャーにとって、スマートフォンを所有し、ソーシャルメディアを利用することはごく当たり前になっている。そのため多くの専門家が、スマートフォンの画面ばかり見ている状況はうつ病など精神衛生上の問題を増加させているのではないかと考えてきた。ところが、米国時間1月17日に発表された研究論文によると、そうした懸念は誇張されている可能性があるという。
この論文は学術誌「The Journal of Child Psychology and Psychiatry」に発表され、The New York Times(NYT)が最初に報じたもので、研究者らは、ティーンエイジャーのソーシャルメディア利用とうつや不安との関連について調査した約40件の研究をレビューした。その結果、学術研究では、両者の関連性は十分に立証されていないとの結論に達した。
「レビューの結果、先行研究のほとんどが成人と思春期の若者を比較した相関分析であり、わずかな正の相関と負の相関、そして無相関と、しばしば互いに矛盾する結果が混在していた」とこの論文の要旨には書かれている。この研究を主導したのは、カリフォルニア大学アーバイン校の教授、Candice Odgers氏だ。
同氏は、2019年8月に学術誌「Clinical Psychological Science」に発表された研究論文の著者でもある。そちらの論文は、ティーンエイジャーが携帯電話やネットで時間を過ごすことが必ずしも悪影響につながらないことを示唆する内容だ。同研究は、思春期の若者を対象に、デジタルテクノロジーの利用時間の増加がメンタルヘルスの悪化につながるのかを追跡調査したもので、その結果「長期的および日常的な関連性を示す証拠はほとんど見つからなかった」とUCI Newsは報じている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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