ハウスマートは12月19日、不動産仲介会社向けの営業支援ツール「プロポクラウド」の対象エリアを1都3県に拡大すると発表した。不動産仲介会社の「物件数が多すぎて把握しきれない」「長期フォローが必要なので対応しきれない」という悩みを解決する。
プロポクラウドは、AIによる顧客管理と物件選定、提案などのコミュニケーションに特化した追客ツール。不動産会社のウェブサイトなどからオープンな物件のデータを取得し、独自でデータベース化。顧客に合った物件を自動でピックアップし、メールで送信する仕組みだ。対象物件は居住用の中古マンションで、3月のサービス開始時点で東京都23区、武蔵野市、三鷹市、西東京市、横浜市、川崎市をカバー。2020年1月からは東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の1都3県にエリアを拡大する。
データベース上では、外観がわかるように独自で撮影しており、現在、累計で約8700棟の外観写真撮影を実施しているとのこと。撮影が難しい物件においては、ストリートビューと契約し、画像を表示している。
不動産仲介会社の営業担当者は、常時10~15人程度の顧客対応をしているが、物件の選定や提案に多くの時間を割いているとのこと。しかし、物件探しには半年から2年程度の時間が必要で、長期間に渡り、手厚いサポートを続けることが難しい状況だったという。
さらに、メールでのコミュニケーションになるため、顧客がメールを開いているのか、どの物件に興味を持っているのかなどの反応がわかりづらく、メールの送信をやめてしまうなど、機会損失にもつながっている。
プロポクラウドは、物件選定と顧客管理にAIを活用。メールを開封したなどのアクションがわかるほか、「いいね」「興味なし」などのボタンをメール画面に用意することで、顧客のリアクションが得られやすくなっている。営業担当者は、メール配信後の動きから顧客の動向を知ることができ、物件の提案がしやすくなることが特徴だ。
さらに、物件の値段が下がると、その段階で顧客に通知メールを配信する通知機能も装備。AIが35年後までの推定価格を算出するほか、購入時の諸経費、毎月の費用も算出できる。すでに60店舗以上の企業が導入しており、月額利用料は5万円~。仲介管理会社が中心だが、リノベーション会社などとの相性も良いという。
物件情報のデータベースは1日に1度更新され、顧客へのメールは1日に2回配信するほか、新着情報や値下がり通知などのメールも配信される仕組み。7日間で最大21通のメール配信が可能だが、平均は5通前後としている。
今回のエリア拡大は、基盤データベースの整備が完了したことと、人員を拡充したことから、実施するもの。物件の情報収集先も増やし、埼玉県や千葉県に強い不動産会社もウェブサイトも情報源に加えた。
ハウスマート 代表取締役の針山昌幸氏は「顧客に物件情報をメールするのに、従来40~60分の時間が必要だったが、プロポクラウドを使えば1分で済む。作業時間が短縮されるほか、営業時間外に残業してこの作業を手掛ける営業担当者が多く、残業時間も減らせる」と話す。今後は、大阪、京都、神戸といった関西対応を進めていきたいとしている。
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