ビジネスパーソンのスキルや知識アップに役立つ“今読むべき本”を厳選し、要約してその内容を伝える「flier(フライヤー)」。ITパーソンはもちろん、IT企業が社員教育の一環として福利厚生に法人利用しているケースが増えているという。この記事では、サービスを利用する意識の高いビジネスパーソンの中でも特に、ITパーソンは今、どんな本に注目しているのかを2019年6~11月のランキング形式で紹介するとともに、ランクインした10冊をレビューする。気になった1冊があれば是非、手に取ってほしい。
「プレゼンなら任せて!」そんな頼もしいことを言える人は、どれだけいるのだろう。本書では、全部で100もの項目にわたってプレゼンのフレーズが紹介されている。
各項目には、ひとことのフレーズがどのような効果をもたらすかという解説が丁寧に書かれており、コミカルで親しみやすいイラストが付されているので、大変読みやすい。ひとつひとつは当たり前に理解しているようなことでも、実際に言うか言わないかは確実にプレゼンの出来に関わってくるだろうと感じられた。本書で紹介されているフレーズを実際に口に出して使えるようになれば、冒頭のような言葉も言えるようになるかもしれない。
本書の著者である樺沢紫苑氏は、「日本一アウトプットする精神科医」だ。にもかかわらず、じつはインプットにあまり時間をかけていないのだという。最短時間で最大効率のインプットを行うことで、大量のアウトプットを可能にしているのだそうだ。
本書には、アウトプット力を高めるためのインプット術が満載だ。読む、書く、見るといったインプット方法別の具体的なノウハウはもちろん、インターネットやテレビをうまく活用する方法や、あらゆる能力を引き出す最強の学び方と題して、実生活に取り入れられるインプット術も掲載されている。
インプットはしているはずなのにうまくアウトプットできていない人は、本書を手にとって、自分のインプット&アウトプットのあり方を見直してみていただきたい。
ビジネスパーソンの「見た目」には、自分自身が投影されている。たとえばあなたは、なんとなく選んだスーツを着ていないだろうか。著者は、洋服や持ち物を無意識に選ぶのではなく、そのアイテムの背景やストーリー、自分のポリシーなどを語れるようにしておかなければならないという。
本書の特徴は、身だしなみや装いに加え、ビジネスエリートとしてあるべき振る舞いを指南してくれるところだろう。手厳しい指摘もあるが、著者の優しい思いが行間に感じられ、素直に自己改革してみようという気持ちにさせられる。読者への配慮に富んだ解説や助言からもまた、著者の優れた「振る舞い」を感じさせる1冊だ。
アフターデジタルとは、行動データを高頻度で取得できるモバイルデバイスやセンサーの普及にともない、データ化できないオフライン行動がなくなった世界のこと。「アリペイ」などのモバイル決済やシェアリング自転車が普及した中国では、日本より数歩先に実現している。
アフターデジタルの問題は、ビジネスの戦い方が今までとは大きく異なってくる点だ。アフターデジタルにおけるビジネスでは、オフラインからオンラインまで生活の至るところに顧客接点を作り、顧客の行動データを取得する。そしてその行動データを活用し、顧客に対して最適なタイミングで最適なコミュニケーションを取り、商品、サービスの購入へと導く。本書を読んで得をすることはあれど損することはないはずだ。すべてのビジネスパーソンに一読をおすすめする。
「動きたいのに動けない」誰もがそんな壁にぶつかることがあるだろう。あるいは逆に、ポンと弾みがついて仕事が面白いように前に進むという経験をした方も多いはずだ。動ける時と動けない時、あるいは動けない自分と動ける他人、その違いは何だろうか。
本書は、その違いを解き明かし、誰もがいつでも動けるよう背中を押してくれる。ベストセラーになった前著「1分で話せ」に続く、ビジネスパーソン待望の1冊である。
本書では、突飛なアイデアが示されているわけではない。きわめて普遍的な考え方やスキルがまとめられている。とはいえ、凡事徹底という言葉もある。一人でも多くのビジネスパーソンに、本書の内容を常識として身につけてもらいたい。
片づけられないのは、面倒でやる気が出ないから、あるいは整理整頓の能力が低いから。そんなふうに思っていないだろうか。1万人以上におよぶ脳画像診断を経験してきた脳内科医である著者によると、片づけられないのは「脳」のせいだという。
本書では、脳の弱い部分を見つける方法から、脳を鍛える方法、脳に片づけを習慣化させるコツなどが、わかりやすく紹介されている。
「たかが片づけ、されど片づけ」。片づけがテキパキできる人ほど、心に余裕ができ、やるべきことをテキパキとさばける。仕事のパフォーマンスを上げ、ストレスフリーに生きたいと考える方にとって、本書は必読の1冊である。人は何かを決めたり判断したりするとき、「好き嫌い」と「良し悪し」を同時に考えるのではないだろうか。誰しもが2つの価値観の間で揺れ、バランスを取りながら生きている。しかし面白いのは、好きや嫌いの後には必ず「でも……」と続くことだ。まるで「好き嫌い<良し悪し」という構図が出来上がっているようだ。
著者は、多様なエピソードをネタに「好き嫌いで判断してもいいんじゃない?」と投げかける。そしてその一見感覚的な「好き嫌い」の中に、筋の通った理屈が潜んでいるのだ。
自由なはずなのに自由でないような、今の社会にそこはかとない窮屈さを感じているならば、ぜひお読みいただきたい。「好き嫌いで生きてもいいんだ」と心が軽くなること請け合いだ。
生きている限り、すべての人に死が訪れる。本書に登場する患者のほとんどは、自分にはもう時間が残されていないことを知っている。やがて患者は後悔している自分を許し、受け入れることで、穏やかな気持ちを取り戻し、最期のときを迎える。
死を目の前にした人の後悔は、大枠として「死ぬ瞬間の5つの後悔」にまとめられるという。そして、根本の原因は自分の本心に向き合わなかったことにある。本書を読むと、自分の人生が愛おしくなってくる。いつ人生の終わりが来るかはわからない。自分の人生に、棘のように刺さっている「気がかり」はないだろうか。後悔しない人生とは何か。改めて考える価値あるテーマではないだろうか。
「あなたは、○○タイプの人ね」と性格を型で判断されたことは、誰しも何度かあるのではないだろうか。わたしたちは普段、自分の判断基準に従って、他人の言動や状況を解釈している。しかし、彼らはたまたまそのときに、いつもと違う自分を演じていただけかもしれない。
著者は、多くの有名大学で教鞭をとり、絶大な人気を誇っている。もともと外向的なふるまいが得意なのかと思いきや、自身を内向的な性格だと説明している。
著者自身の例と同様に、仕事において、いつもと異なる自分を演じる人は多いように思う。状況に応じて異なる自分に戸惑い、「本当の自分は何なのだろう」と疲れている人にも、本書は手を差し伸べてくれるだろう。
10万部を突破した「神メンタル」の著者・星渉氏の最新作である本書は、「人を思い通りに動かすコミュニケーション」がテーマだ。
この1冊に詰まった内容さえ実践すれば、コミュニケーションの悩みはすぐに消えていくだろう。相手が自分の思い通りに動いてくれるようになるだけでなく、人や情報が自然と集まってくるようにもなる。人望がある人になれるから、相手の人生さえ変えてしまうことも可能だ。
多様性を増すビジネスシーンにおいて、価値観や考え方の違う相手と意思疎通するにあたり、ぜひ読んでおきたい1冊である。
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