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スマートフォンネイティブが見ている世界

シニア層が選ぶのは「Android」--キャッシュレス決済やSNSにも興味あり

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 当連載では普段、10代のスマートフォンネイティブ世代の利用実態を中心にお届けしているが、実はそのほかの年代でも徐々に様々なサービスが行き渡り始めている。そこで今回は、逆にシニア層の端末・ネット利用実態について見ていきたい。シニア層は、若者層など他の世代とは異なる特徴があるのだ。

シニア層が選ぶのは「Android」

 若者の間でiPhoneが絶大な人気を誇っていることはよく知られているが、シニア層は逆にAndroidを所持していることが多い。MMD研究所の「2018年10月 シニアのスマートフォン、生活に関する意識調査」によると、所有しているモバイル機器はAndroid端末が36.7%でトップ。続いてフィーチャーフォン(ガラケー)が30.5%、iPhoneが23.1%となっている。

 その中でも選ばれているのは、シャープ製「AQUOSシリーズ」(15.5%)、ソニーモバイルコミュニケーションズ製「Xperiaシリーズ」(11.3%)、富士通製「arrowsシリーズ」(6.1%)など、国内のお馴染みメーカーが並ぶ。

 シニア層にはiPhoneは若者ほどブランドとはならない。また、知らない海外メーカーは敬遠されることが多い。量販店などではシニアに「(ガラケー時代に使っていた機種の)同じメーカーで同じ機能が使いたい」と要望されることが多いそうだ。

ポイント還元目的にキャッシュレス決済も

 スマホで利用する機能も、若者世代とは大きく異なる。ソニー生命の「シニアの生活意識調査2019」を見ると、日頃スマートフォンで行っていることは、1位「メール」(84.3%)、2位「通話」(80.8%)、3位「インターネット検索」(66.4%)、4位「ニュース閲覧」(59.3%)、5位「天気予報チェック」(56.9%)となっている。若者世代ではほぼ100%近いLINEなどのメッセージアプリは、49.8%と半数にすぎない。

 一方、徐々にクレジットカードを使ってネットショッピングを利用する人も増えてきている。特に最近は、ポイント還元を目的としてキャッシュレス決済に興味を持つシニア層も増えてきた。

 私が相談された際には、「クレジットカードやSuicaなどもキャッシュレス決済になりポイント還元される」と答えている。シニア層にとっては、カードなどのモノがあって決済されるものは、安心感が高いようだからだ。まだ、PayPayなどのスマホ決済アプリは怖いと感じる人が多いようだが、クレジットカードのように次第に利用に慣れてきそうな印象を受ける。

家族や友人と交流したいニーズ

 若者に比べると利用率は低いが、シニア層のSNS利用率は上がっている。マクロミルの「シニア世代のSNS利用」(2018年)によると、シニア層の半数がSNSを利用。最多の「LINE」でも41%と半数には及ばないが、家族にすすめられて始めるケースは多いようだ。「孫にLINEを設定してもらった。孫の写真を見られたり、孫とのやり取りが楽しい」とある70代の女性は言う。

 そのほか、30〜40代以上の男性が多く利用している「Facebook」は25%、10代に人気の「Twitter」は15%、「Instagram」は10%、「その他SNS」は2%などとなった。「Facebookは下の世代とやり取りしたり、昔の友人に見つけてもらったりして楽しんでいる」と、退職したばかりの60代男性は言う。「退職してからすることもなくなったので、昔の仲間とFacebookでの交流を楽しんでいる」。

 カメラを趣味とする奥さんは、同じ趣味の人たち数名とSNS経由で集まり、日帰り旅行に行ってきたそうだ。Twitterアカウントもあるが、「災害時用にあるといいと言われたから。使い方がわかないのでアカウントを作っただけ」というのが実態のようだ。

 メルカリもシニア層に人気だ。メルカリ社の調査によると、2017年から2018年にかけて、50代以上のユーザーが約60%増加している。2019年6月には前年6月と比べて「終活・生前整理」というキーワードでの出品が約2.5倍に増えているのだ。不要なものを売ってお小遣いにしたいというニーズは、シニア層も変わらないというわけだ。

 すでに離れてしまった若者も多い「Pokemon GO」だが、シニア層はまだまだ現役で続けていることが多い。「もともとは孫と始めた。孫とポケモンを交換したこともある」という60代男性。「健康促進のために遊んでいるが、歩くことが増えて足腰が強くなったと思う」という。

 このように、シニア世代は端末やSNS、アプリなどを独自の使い方で楽しんでおり、中にはうまく活用している人も多い。セカンドライフを充実させたり、健康促進などのためにも良さそうだ。ただし、フィッシング詐欺などに巻き込まれるシニアも少なくないので、子ども世代は見守ってあげてほしい。

高橋暁子

ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディア等の記事の執筆、企業等のコンサルタント、講演、セミナー等を手がける。SNS等のウェブサービスや、情報リテラシー教育について詳しい。
元小学校教員。
『スマホ×ソーシャルで儲かる会社に変わる本』『Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本』(共に日本実業出版社)他著書多数。
近著は『ソーシャルメディア中毒 つながりに溺れる人たち』(幻冬舎)。

ブログ:http://akiakatsuki.hatenablog.com/

Twitter:@akiakatsuki

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