ディー・エヌ・エー(DeNA)は11月6日、2020年3月期第2四半期(2019年4~9月)の連結決算を発表した。売上収益は652億5000万円(前年同期比4.3%減)、営業利益は50億4400万円(同52.7%減)、純利益は49億2000万円(同53.2%減)で減収減益となった。
四半期ベースでは、売上収益は339億円(前四半期比8%増)、営業利益(IFRS)が27億円(同18%増)。季節変動の大きいスポーツ事業を除く売上収益は253億円(同8%増)、Non-GAAP営業利益は3億円の赤字(前四半期は4億円の赤字)としている。
主力のゲーム事業は売上収益が215億円(前年同期比1%増)、営業利益は35億円(同26%減)。第2四半期の後半に新作タイトルの配信を開始。業績については既存タイトルの貢献が中心であったため、ユーザーの消費額やセグメント利益は前四半期から見るとおおむね横ばいの推移になった。
同日に行われた決算説明会で、ディー・エヌ・エー代表取締役社長兼CEOの守安功氏は、ゲーム事業における新作2タイトルについて説明。任天堂との協業タイトル「マリオカート ツアー」(配信元は任天堂)は、9月25日に配信を開始。約1カ月が経過したなかで、ダウンロード数やプレイ人数とも、任天堂との協業タイトルのなかで、過去最高水準で推移しているという。今後は、当初から要望が多かったというマルチプレイについて、12月からベータテストを開始予定。さらなる活性化につなげていきたいとした。
もうひとつの新作タイトル「ポケモンマスターズ」は8月29日に配信を開始。コンセプト自体はユーザーにも共感を生んだとし、4日間で世界累計1000万ダウンロードを突破。一方で運営面では不具合やバグの多発、コンテンツボリュームの不足など、長く遊ぶゲームには至っていないという課題があったと指摘する。すでにユーザーにはプロデューサーレターという形で、課題箇所や改修に向けたアナウンスを行っており、年度末に向けて順次改修を進めていくという。そして「一旦熱量が下がっている状態ではあるが、ポテンシャルやユーザーの期待感も含めて高いタイトルなので、再度盛り上げていきたい」とした。
また質疑応答のなかでは、ポケモンマスターズが重要なタイトルであり、かなりのリソースを割いて改修にあたっていることを説明。一度離れたユーザーが戻ってくることの難しさを指摘する質問もあったが、「きちんと改修を行ったうえで、ユーザーとコミュニケーションをとって伝えることができれば、また遊んでもらえる。それが十分可能なタイトル」と語った。
スポーツ事業については売上収益85億円(前年同期比8%増)、営業利益は28億円(同6%減)。プロ野球2019年シーズンにおける横浜DeNAベイスターズの主催試合の観客動員数は、横浜スタジアムの一部増席が稼働したことにより球団史上最高を記録したうえ、横浜スタジアムの稼働率も昨シーズンを超えるなど活況だったことなど、順調に推移しているという。
新規事業については、オートモーティブ事業におけるタクシー配車アプリ「MOV」について触れ、すでに展開しているエリアにおける実車回数の成長など着実に進展。一方で市場環境においては当初の予定よりも競争が激化していることも説明。守安氏はMOVについてシステムなどで優位性があるとしながらも、事業の特性上、先にシェアを確保されると巻き返しが難しいということから、状況を見つつ機動的に投資をかけていくとした。
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