Mozilla、倫理的なAI推進に向けElement AIと提携

Charlie Osborne (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部2019年10月30日 12時37分

 Mozillaは、倫理的な人工知能(AI)の使用を提唱していくため、Element AIとの戦略的提携を発表した。

 MozillaとElement AIは、「新しいAI技術やツールが今日のデジタルフロンティアにもたらす課題と機会」に対処していくと説明している。

 特に懸念されるのは、AIとその用途の倫理的な問題だ。AIはまだ初期段階にあるが、さまざまなユースケースで人に利益をもたらすことがすでに実証されている。例えば、AIはニューロサイエンス分野で、麻痺患者のコミュニケーションや、病状診断の支援、学術研究プロジェクトの追跡などに使用されている。

 AIは価値のある目的に使用される一方で、無人兵器や軍用車両の開発、大規模な監視といった非倫理的だと考えられる場合がある用途に利用される恐れもある。

 AI技術の開発と発展が続く中で、一定の水準の倫理を維持するアプリケーションを作成することが重要であり、その水準を堅持していくことができれば理想的だ(ただし、その水準をどこに定めるのかという問題も議論する必要がある)。

 Element AIはAIを利用したエンタープライズソフトウェアプロバイダーで、これまでにAmazon Web Services(AWS)やMicrosoft、NVIDIA、Intelと提携している。Mozillaと協力し、AIの倫理的なデータガバナンスといった側面を模索していく。

 両社は、市民や消費者が個人情報の利用に関して、より一層管理できるようにするためのソリューションとなる「データトラスト」にも取り組むと説明している。AIがデータを収集する手段として利用されるようになる中、データトラストは鍵となる可能性もある。

 Element AIによると、データトラストは「コモンロー信託」に基づき、サードパーティーが管理運用するモデルだという。Element AIのホワイトペーパーで説明されているように、データトラストは、個人による個人情報のコントロールの強化、企業と政府、個人間のデータに関する権限のバランス、プライバシーの強化、「データとAIの価値を共有する」機会の共有などを実現する手段として提案されている。

 MozillaとElement AIは、データトラストを構築することで、現在の「壊れた状態にある同意に基づくデータ収集のシステム」に代わるモデルを提供したいとしている。またこの提携によって、AIベースの法律やポリシーに関する調査を支援していくという。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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