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大阪発のデザイン・技術集団「フェンリル」--知られざる“2人の創業者”の素顔 - (page 2)

藤井涼 (編集部) 野々下裕子2019年10月29日 08時00分
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「デザイン」と「技術」のフェンリル

——お二人がなぜ、これだけタイプが違うのに信頼関係を築けているのか、分かった気がします。もともとはSleipnirというブラウザの開発から始まったフェンリルですが、今では他社とのアプリ共同開発や、デザインチーム向けプロジェクト管理ツール「Brushup(ブラッシュアップ)」などのクリエイター向けツールにまで事業が拡がっています。現在のフェンリルを一言で表現するとすれば、どのような会社と言えますか。

柏木氏 : 「デザインと技術のフェンリル」です。

——ウェブサイトにもそう書かれていますね。NHKニュース・防災や大成建設といった大手の案件も含め、約400社の600ものアプリを手がけているそうですが、それもデザインと技術で選ばれてきた結果だと。

柏木氏 : 私たちのこだわりがみんなに伝わったと信じたいです。

牧野氏 : 今みたいな仕事を始める時にほぼ実績はありませんでしたが、発注者の多くがSleipnirを使って社会人として育ってきた方たちでした。機能的なだけでなく“神は細部に宿る”ということを分かってくれている人たちだったんですね。Sleipnirを作っている会社だからしっかりとしたものを作ってもらえるだろうと信頼してもらえて、そこで築いた実績がまた次の仕事につながって、そのあとの事業展開につながっているという感じです。

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柏木氏 : 私はもともとプログラムで何かを作るのが好きで、作ったプロダクトを多くのユーザーに使ってもらい、ユーザーに喜んでもらうことが私の喜びでもありました。そのためにプログラミングだけでなく、 UXやUIも勉強しました。画面やメニューを考えている時が一番わくわくして、「これがもし動いたらすごいはず」という気持ちをモチベーションにコードを書いていました。完成させたいという気持ちが強かったので諦めそうになる難しい課題も乗り越えることができました。自分が作ってみたいと思える難易度の高いプロダクトが出来上がったときの達成感や、人に喜んでもらえる幸せを知っているからプログラミングを続けることができました。

 私はプロダクトのデザインもプログラミングも両方好きなので、会社を作るのであれば設立当初からそれを強みにしようと決めていました。

——創業から間もなく15年が経ちますが、最も大きな決断をしたタイミングはいつでしたか。

柏木氏 : 最初の大きな決断は、創業から2年目くらいの2006年9月に、Sleipnirのデフォルトの検索エンジンを、もともと取り引きしていた会社からGoogleに変えた時です。結果的にシミュレーションよりいい結果になりました。

 その後に、牧野に新規事業として(アプリの)共同開発部を立ち上げてもらいましたが、事業を加速させるためにすごくお金をかけたのが2回目の大きな決断です。もっとも印象に残っているのがその2つです。

——フェンリルの採用基準や、どのような点を社員に期待しているのか教えてください。

柏木氏 : フェンリルが大切にしていることを少しで良いので自分ごとのように大切にしてくれるかどうか。デザインと技術はうちの強みですが、ユーザーのハピネスのために物を作っていこうというフェンリルの文化も大事で、それに共感してくれる人たちが集まってきてくれていると感じています。

——IT企業は東京に集中する中、創業時から大阪を本拠点にし続けている理由はあるのでしょうか。

柏木氏 : 私が関西生まれで関西に住んでいるからです。東京は一部の役員や営業、フロントの人がいますので特に困っていません。

牧野氏 : Sleipnirを作るところから始まった会社なので、東京でなければ作れないならそうしますが、そうでないなら大阪でいいと思っています。最初は藤井寺で創業しましたが、エンジニアを採用しやすくするためにオフィスを梅田に移したり、大阪本社があるグランフロント大阪を働きやすい環境にしたりしてきました。

 ただ、大阪で力を発揮したいという方は結構いて、大阪でITならフェンリルで働きたいと思われるようになればいいとは思っています。新卒は一括採用ですが大阪で研修した後は自分で働きたい場所は選べます。

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——では、最後に今後の展望を聞きたいのですが、フェンリルがこれから注力していきたい領域はどこでしょうか。

柏木氏 : デザインと技術にこだっていれば領域へのこだわりはありません。(アプリなどの)共同開発事業は引き続き計画を掲げて挑戦していきます。我々はiPhoneやAndroidではトップのデザイン・開発会社なので、それをよりゆるぎないものにしていくこと。その利益を自社のプロダクトに投資して、Sleipnir、Brushup、Picky-Picsのようなユーザーが喜んでくれるサービスをどんどん作っていきたいです。

 今はソフトウェアが中心ですが、もっともっと規模が大きくなってきたら自分の趣味を仕事にできたら最高です。

——現時点で何か候補はあるのでしょうか。

柏木氏 : 現時点で公開できる具体的なものはありませんが、たとえば、子どもが成長してより良く生きるためのデバイスとか。特に小さい子どもたちが使うものを作ってみたいです。フェンリルが作ったデバイスで家族がもっとハピネスになったら最高です。会社のマネジメントでも感情面の問題というのがたくさんあるので、感情面をよりよく繋いでくれるデバイスがあれば小さな揉めごと、大きなトラブルが減って、みんなもっと幸せに働けると思います。

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