Googleは、俳優に報酬を支払って作成したディープフェイク動画の巨大なデータベースを公開した。同社はこのデータベースによって、人工知能(AI)で生成されたフェイク動画の検出システムを強化したいと考えている。
2020年の米大統領選挙を間近に控え、世論を操作して分断するのに利用されかねないディープフェイク動画に対し、これを検出できるより優れたシステムの開発競争が始まっている。
FacebookとMicrosoftは9月に入って、ディープフェイク動画を検出するシステムの開発を支援するため、1000万ドル(約11億円)規模のプロジェクトとして、ディープフェイク検出技術の公募コンテストを開催すると発表した。
その時にFacebookが指摘したように、検出システムの問題の1つは、ディープフェイク動画の作成やテストのベンチマークに使える材料が乏しいことだ。同社のプロジェクトでも、プロの俳優を使って、より大規模なデータセットを作成する。
GoogleとAlphabet傘下のJigsawは、俳優28人が登場する3000本の改変動画からなるデータセットを、顔操作検出の新たな自動ベンチマークである「FaceForensics Benchmark」に提供した。
このベンチマークを開発しているのは、ドイツのミュンヘン工科大学と、イタリアのフェデリコ2世ナポリ大学の研究チームだ。Googleはこれらの動画を「Deep Fake Detection Dataset」(ディープフェイク検出データセット)と呼んでいる。FaceForensics Benchmarkに関する詳細は、研究チームのGitHubページに掲載されている。
Google ResearchのNick Dufour氏とJigsawのAndrew Gully氏は、次のように述べている。「このデータセットを作成するため、われわれはここ1年にわたり、同意を得た俳優に報酬を支払って協力してもらい、数百本の動画を撮影した。その後、一般に公開されているディープフェイクの生成方法を用いて、これらの動画から数千本のディープフェイク動画を作成した」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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