DTRC2019実行委員会は8月26日、東京モーターショーで開催するドローンイベント「Drone Tokyo 2019 Racing&Conference(DTRC2019)」の事前発表会を開催した。
DTRC2019では、日本で初めて国際航空連盟(FAI)公認の下に開催する国際ドローンレースを開催する。日本ではこれまでもさまざまなドローンレースが開催されてきたが、「レッドブル・エアレース」と同様にFAIが開催するレースは、DTRC2019が初めてだという。また、レースでは複数機が同時に飛行するというが、こちらも日本初だという。
DTRC2019は、「第46回東京モーターショー2019」内のイベントとして開催。11月1日にレースの予選とカンファレンスを、11月2日に決勝戦を開催する。また、決勝開催日には公式アンバサダーに就任した日向坂46によるイベントも執り行う。レースの参加選手募集は8月26日21時より募集を開始するが、レギュレーションなどについては改めて発表するとしている。
ところで、なぜドローンによるレースを開催するのか。Drone Fund共同パートナーで、DTRC2019実行委員会の副委員長も務める千葉功太郎氏は、「ドローンレースがレギュレーションと技術をけん引していく」と、その意義を説明した。
自動車業界においても、同じ条件の下で技術を競い合ったレースで技術が発展し、「車の歴史はレースから始まっている」と説明した千葉氏。ドローン業界が発展していくためには、自動車と同様に、ドローンレースが技術とルールをけん引していくだろうと考えているという。
また千葉氏は、ドローンの社会実装に向けては、一般国民への認知度を高めることも重要だと説明した。「ドローンはインフラ点検などの目立たない場所で活躍していることが多く、一般の人たちが日常生活で見ることは少ない。レースを通じて、ドローンは怖いものではなく楽しいものだと認知してもらう必要がある」(千葉氏)。そのため、日向坂46を起用したイベントを大々的に開催することで、ドローンの一般認知度向上を目指す。千葉氏は、「エンターテイメントショーをただ開催するだけでなく、ドローン業界全体のアクセラレーションに繋げていく」と強調した。
A.L.I.テクノロジーズ 代表取締役会長で、TRC2019実行委員会の副委員長も務める小松周平氏は、「ドローンの社会実装に向けてどのような技術を磨くかを考える必要があり、また、自動車の例と同様に、低空域でのドローンレースがドローンのルールを構築していくだろうと考えている」と、レースの趣旨を説明。DTRC2019においては、運行管理システムや、空飛ぶクルマの実用化時に必要となるであろう仮想道路に求められる仮想現実といった、さまざまな技術のトライアルをレースとあわせて実施するという。
また小松氏は、「ドローンレースは健常者とハンディキャップホルダーとの垣根が無く、無差別級の戦いができる」とし、「足の怪我で夢を絶たれたサッカー少年でも、新たな夢を描けるレースを作り上げていきたい」との展望を示した。
レースの来場者は数千人規模だとの想定を語った小松氏。日向坂46のライブパフォーマンスとあわせ、エンタメ性も追求したレースの開催を目指す。また、予選と同時に開催するカンファレンスについては、ドローンの技術展開などについて政府と歩み寄るいい機会になると説明。「このようなイベントをわれわれが先陣を切って開催することで、日本がドローンの主導国として世界にプレゼンスを高められば」と語った。
衆議院議員 ドローン推進議員連盟プロジェクトチーム座長で、DTRC2019実行委員会実行委員長を務める今枝宗一郎氏は、「議員連盟結成以前は、日本のドローン政策は確固としたものが無かった」と振り返りつつ、6月に閣議決定された成長戦略実行計画において、ドローンの目視外飛行や空飛ぶクルマの実現目標が盛り込まれたことを説明。一方で、国民の理解を得るためには意識を変える必要があり、その上で「東京モーターショーで開催する今回のイベントが、歴史的な分岐点になるだろう」と意義を語った。
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