LINE証券は8月20日、スマートフォン完結型のオンライン証券サービス「LINE証券」の提供を開始した。LINEのアプリ内からアクセスでき、先行してAndroid版から提供する。
LINE証券は、投資までのハードルとして高かった、何を選んだら良いのかわからないといった「知識不足」、まとまった投資資金がない「資金不足」、就業時間と取引時間がかぶって自由に取引できない「自由度不足」の3つを取り払うことで、終身雇用の崩壊や年金制度の持続性にも不安を感じている働く世代に対し、より身近な投資サービスを提供する。
厳選した日本の有名企業100社を1株から取引できるほか、TOPIX、不動産(東証REIT)、NYダウ、NASDAQ、金、原油などの指数に連動する国内ETF9種類を1口単位で取引可能。大半が数百円から3000円以下の銘柄であり、少額から投資をスタートできるという。登録した銀行口座のほか、LINE Payの残高から入出金することも可能だ。
ユーザーのライフスタイルに合わせ、平日21時までの即時注文・即時約定取引を実現(ETF取引のみ開業時の夜間取引は未対応、前場:9:00-11:20、場間:11:30-12:20、後場:12:30-14:50、夜間:17:00-21:00)。夜間だと適時開示などの影響を受ける可能性があるが、リスク管理については詳細非開示ながらリスクコントロールを行っているとする。なお、取引手数料は無料だが、リスクプレミアムとしてスプレッドを載せて価格を提示する。
ユーザーインターフェイスにもスマートフォンに特化しており、口座開設は約3分、LINEのウォレットタブから約6タップで銘柄選択・売買まで実行できる。相対取引を採用し、注文時に購入価格が表示される。また、「お気に入り数が多い」、「前日比値上がり率」、「業種別」など、複数のカテゴリーとランキングを用意。銘柄の選び方がわからない投資未経験者や投資初心者でも、選定が容易になるよう設計しているという。
同社は、LINE Financialと野村ホールディングスによるジョイントベンチャー。LINEが持つMAU8100万人、資産形成ユーザーであれば7000万人のユーザ基盤と、スマートフォンに適したユーザーインターフェース、野村グループが100年弱培ってきた金融ビジネスのノウハウを生かす。今後も、より資産形成に興味のあるユーザーに向けて投資信託などの提供も検討するとしている。
野村ホールディングス執行役員の池田肇氏は、「LINEは金融に限らないさまざまなプロダクトを持っており、既存の金融の概念にとらわれない新しいサービスを提供できる。お客様の声をもとに常に進化しており、もっとワクワクしてもらえる体験を提供したい」と述べた。また、これまで順調とは言えなかった野村のデジタル対応について、「対面が強い証券会社なので補完的な位置づけとしてデジタル対応をしていたのが一つの原因」と分析。「LINE証券は、スマートフォンでサービスを完結することで、オンライン上で幅広いサービスを展開できる」と、サービスの成功を予見した。
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