ウイスキーの味利きをする人工の「舌」、グラスゴー大が開発--偽造対策に

Rae Hodge (CNET News) 翻訳校正: 編集部2019年08月16日 15時36分

 偽造スコッチの取り締まりはスコットランド人に任せよう。偽造アルコールの取引防止を目指して、グラスゴー大学の研究者らはさまざまな種類のウイスキーの微妙な味の違いが分かる人工の「舌」を開発した。

University of Glasgow
提供:University of Glasgow

 同大学のエンジニアリング学部のリリースで、この研究の主執筆者のAlasdair Clark博士は、人工の舌を開発した研究者は自分たちが初めてではないが、異なる2種類のナノスケールの金属製“味蕾(みらい)”を利用して人工の舌を開発したのは自分のチームが初めてだと述べた。

 「われわれがこれを人工の舌と呼んでいるのは、人間の舌と同様の働きをするからだ。われわれの舌と同様に、この舌はコーヒーをりんごジュースと異なる味にする個別の化学物質を識別することはできないが、これらの複雑な化学物質の混合物の違いが容易に分かる」とClark博士は述べた。

 アルコール飲料の検証に顕微鏡でも見えないほど微細な金とアルミニウムの薄片を用いて、研究チームは人間の味蕾の500分の1のサイズの味蕾を開発した。この味蕾は、ウイスキーの銘柄である「Glenfiddich」「Glen Marnoch」「Laphroaig」のさまざまなサンプルについて、99%以上の精度で違いを特定することに成功したという。この舌はさらに、同じウイスキーの12年物、15年物、18年物の微妙な違いを識別できた。

 この実験の主なテイスティングの対象はウイスキーだが、この技術は食品の安全性の試験や品質管理に利用できる可能性があるとClark博士は述べている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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