人工知能(AI)は、世界が抱える特に難しい問題の多くを解決する手段として、高い期待を集めている。なかでも、AIの開発に携わる多くの専門家が最優先の課題として取り組んでいるのが、医療分野だ。Googleの親会社Alphabet傘下でロンドンを拠点とするAI開発企業のDeepMindも、さまざまな医療関連のプロジェクトに取り組んでいる。そのDeepMindが現地時間7月31日、死に至る疾患の急速な発現を医師が予測し、より多くの患者の命を救えるようにするためのシステムに関する、最新の研究成果を発表した。
1種類の病気や怪我が理由で入院するだけでも大変なことだが、医療機関にいる患者は、自身の健康に深刻な脅威をもたらしかねない二次的疾患を院内で発病するリスクにもさらされている。急性腎障害は命の危険をもたらす可能性があり、医師にとっては深刻な問題だ。発見するのがきわめて難しいだけでなく、患者の状態が急速に悪化する可能性があるためだ。
だがDeepMindは、AIを利用することで、急性腎障害を発症する最大48時間前に医師がその兆候を発見できるシステムを開発した。その結果、事前に発症を予防するための貴重な時間が確保され、最大30%の患者で急性腎障害の発症を阻止できたという。DeepMindが英科学誌「Nature」で発表した論文によれば、この取り組みは米退役軍人省とともに実施したもので、匿名化されたデータを使用して開発した機械学習ツールを使うことで、のちに人工透析が必要になった10人の患者のうち9人の状態を正確に予測できたという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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