ヤフーは、連結子会社のアスクルが8月2日に開催を予定している第56回定時株主総会の第2号議案(取締役選任議案)において、1997年からアスクルの代表取締役社長を務めている岩田彰一郎氏の再任に、反対の議決権を行使する予定だと発表した。ヤフーはアスクルの筆頭株主(株式の約45%を保有)となっている。
行使の理由としてヤフーでは、アスクルの重要領域であるEC市場が各社BtoB、BtoCともに高い成長率を遂げている中、アスクルは2018年5月期の営業利益が前年度を50%下回る約41億円となったことに加え、2019年5月期は、従来の通期業績予想から営業利益を25%下回る約45億円、純利益は89%減の約4億円になるなど業績の低迷が続いていると説明。業績の早期回復、経営体制の若返り、アスクルの中長期的な企業価値向上、株主共同利益の最大化の観点から、抜本的な変革が必要と判断したという。
事業別では、主力事業であるBtoB事業(アスクル事業)の売上成長率が鈍化傾向にあるほか、ヤフーとの協力で運営しているBtoC事業(LOHACO事業)は2012年10月のサービス開始から現在まで収益の改善が見られず、2014年5月期の約29億円の赤字から、2019年5月期は約92億円の赤字と損失が拡大していると指摘。ヤフーでは「現在のEコマース市場の環境下における岩田社長の事業計画の立案力および事業計画の遂行力に疑問を抱くに至りました」とプレスリリースでコメントしている。
なお、この件に関連する動きとして、アスクルがヤフーとの資本関係を解消するという一部報道が出ている。これに対し、アスクル広報部に確認したところ「当社が発表したものではない。資本解消などの事実関係は確認中」とコメントした。
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