ミュンヘン工科大学(TUM)の研究チームは、飛行機の着陸を支援する計器着陸装置(ILS)に頼らず、GPSとカメラから得た情報で自動着陸させるシステムを開発した。
飛行機が安全に着陸できるようにするため、飛行場には滑走路の位置などを地上から飛行機へ伝えるILSが整備されている。国土交通省の資料によると、ILSは指向性の強い電波を進入中の飛行機に向けて照射することで、適切な角度で滑走路に向かっているかなどを飛行機側で判断できるようにする仕組みだという。ただし、小さな飛行場にはILSのないことがあり、視界不良の場合は着陸できなくなってしまう。
そこで、研究チームは、GPSで得る位置情報、可視光カメラと赤外線カメラで得る映像情報を用い、ILSを使わず自動的に飛行機を着陸させるシステムを開発した。GPSの位置情報は誤差が大きいため、映像情報を解析して滑走路の正確な位置を把握し、飛行機を自動操縦して着陸する。赤外線でも映像を撮影するのは、可視光での視界が悪い状況での補助の意味がある。
実際の飛行機を使って実験したところ、完全な自動操縦でILSを使わない着陸に成功した。試験機に搭乗していたパイロットによると、このシステムは空港まで相当遠い地点から滑走路を認識できていて、滑走路の中央へ正確に着陸できたそうだ。
試験飛行のようす(出典:TUM/YouTube)
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