タニタは、Bluetooth通信機能を備えた黒球式熱中症指数計「TC-310」を7月1日に発売する。価格は3万円(税別)。業務用として、気象や熱中症に関する研究機関や熱中症対策に取り組む自治体・企業などを対象に販売する。
また、通信プロトコルを公開し、システム開発会社と連携、企業や団体向けの熱中症予防システムの構築といったサービス展開を目指す。
同社によると、2018年5月から9月の熱中症による救急搬送人数は9万5137人と過去最多(総務省消防庁調べ)だったという。2019年は既に2018年を上回る7302人が搬送されており、熱中症対策の重要性が増している。
熱中症は「対策することで100%防げる疾病」といわれており、熱中症発症の危険度を示すWBGTを把握することで、効果的な対策が可能。
同社では、WBGTを計測できる携帯型の黒球式熱中症指数計を2014年から展開しており、その中で、気象に関わる機関の研究者、熱中症対策に取り組む自治体や学校、建設現場や工場、運動施設、屋内外のイベント会場などの管理者から、「リアルタイムで変化する熱中症の関連指数を記録し、管理したい」という声が多くあったという。
今回発売するTC-310は、こうしたニーズに対応して商品化した。計測データは、本体の表示画面のほか、無線通信する対応アプリを使ってリアルタイムで確認可能。また、1分、5分、10分、30分、60分ごとの計測データを本体に記録でき、最大3万件の蓄積に対応している。
最も細かい1分単位で記録した場合、約20日分のデータを保存でき、これは国内で販売される小型の熱中症指数計が記録できる計測データ件数・計測頻度としては最多になるという。
厚生労働省が実施している「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」では、職場での熱中症予防に日本工業規格「JIS B 7922」に準拠した暑さ指数計の利用を推奨しており、TC-310は同規格のクラス2に準拠している。
さらに、屋内外を問わず長期間使用できるよう、高い防塵・防水性能(電気機械器具の外郭による保護等級「IP65」)を持たせている。
また、熱中症予防の指標となるWBGT(暑さ指数)、気温、相対湿度、黒球温度の4項目を計測・記録できるほか、計測データをiPhoneなどにリアルタイムで送信できるという特徴がある。小型の黒球式熱中症指数計で、Bluetooth通信が可能な商品は国内初になるという。
本体サイズは、幅60mm×高さ112mm×奥行33mm。重量は約79g(電池含まず、吊り下げ用付属品含む)で、携帯使用から設置使用まで幅広く対応できる。
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