「時間の哲学」と題し、時間に対する著者の考えを説明するところから始まる。命にかかわる病気や怪我を自らが経験して、初めて実感できることかもしれないが、最近のニュースを見るだけでも、いつ自分の時間がなくなってもおかしくないということは、容易に想像できる。なんの変哲もない明日があるとは、誰も保証できないのだ。こうした時間に対する考え方があってこその「時間術」である。
列挙されている仕事内容を眺めるだけで、本当に、いったいどうやってそれほどたくさんの仕事を「きちんと締め切りを守って」こなしているのかということが気になる。仕事を「小分けにする」「時間割を作る」ということが鍵となるが、それを実行するためには、自分のことを自身でいろいろと理解しておかなければならない。
ここが、案外ハードルが高いかもしれない。自分が最も集中できる時間や、何にどのぐらい時間がかかるのか、自分の作業時間を把握しておかなければ、時間割を組めないからだ。そのため「『自分を理解』しないと、時間はうまく使えない」という章が設けられている。自分の性格や生活スタイル、やりたくないこと、やりたいことなど、自分に向き合いながら時間割を作り、試行錯誤を繰り返していくうちに、「自分だけの時間術」ができあがっていくのだろう。
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