ハッセルブラッドジャパンは6月20日、中判ミラーレスカメラ「X1D II 50C」と、同社が長年展開しているフィルムカメラ「Vシリーズ」をデジタル化できる「CVF II 50C」、Xシリーズ初のズームレンズ「XCD 35-75mm/3.5-4.5」を国内発表した。
価格は、X1D II 50Cが65万円(税別)で7月発売予定。35-75mmは58万5000円(税別)で10月発売予定としている。CVF II 50Cの価格は現時点では非公開だが、2019年後半での発売を予定している。なお、初代X1D発表時の実売価格は100万円を超えており、X1D II 50Cの65万円という価格は、ハッセルブラッドのカメラとしては大幅な低価格化を実現している。
同社はスウェーデンに本社を置くカメラメーカーで、一般的な35mm判よりも大きな中判サイズのカメラを長年手がけている。6×6のスクエア判が特徴のVシリーズが最も有名で、アポロ計画で月面の写真を捉えたのもハッセルブラッドのカメラだ。
X1D II 50Cは、世界初の中判ミラーレスカメラ「X1D 50C」の後継モデル。フルサイズよりも大きな5000万画素CMOSセンサーを採用。16bitの色深度と14段のダイナミックレンジを確保している。
ディスプレイは、タッチ対応の3.6インチパネルを搭載し、前モデルから43%拡大。解像度も92万ピクセルから236万ピクセルに向上している。連写速度は1秒あたり2.7枚(35%高速化)、EVFは有機ELに変更され、0.87倍かつ369万ピクセルの解像度と、大型化・高精細化されている。USB-Cポートでの充電をサポートしている。
また、モバイル接続も強化。これまで提供していた「Phocus Mobile」はインポートなどのシンプルな機能のみだったが、新たにiPad ProなどUSB-Cポート採用のiPadに対応した「Phocus Mobile 2」を発表。USB-CやWi-FiでJPEGやRAWの転送・現像ができるほか、iPad Proの画面を見ながらのテザー撮影(後日対応)、カメラコントロール、レーティング、管理、カラコレ、レンズプロファイルの適用が可能。レタッチした後にすぐにSNSなどに投稿できる。なお、X1D IIではプロセッサなど内部が刷新されいる関係から、Phocus Mobile 2は初代X1Dでは利用できないとしている。
もう一つの新製品であるCVF II 50Cは、Vシリーズをデジタルカメラ化できるデジタルバック。これまでも同様の「フィルムカメラのデジタル化」が可能な商品は存在していたが、CVF II 50Cは小型化・低価格化(スタッフによると価格はX1D II 50Cよりも若干高い程度とのこと)されており、ケーブルレスで利用可能。
性能はX1D II 50Cと同じで、5000万画素のイメージセンサーを搭載する。X1D II 50Cと異なりチルト液晶を搭載。ハッセルブラッド伝統のウエストレベルで撮影できる。USB-CやWi-Fiも搭載しており、Phocus Mobile 2に対応するという。
さらに、「907X」というアダプターを装着することで、Xシリーズのレンズを使うことができ、オートフォーカスに対応した小型中判ミラーレスカメラ(フットプリント自体はスマートフォンサイズ)として使用することができる。詳細はまだ煮詰まっていないとしつつも、今後のアップデートで動画撮影も可能になるという。
XCD 35-75mm/3.5-4.5は、フルサイズ換算で28−60mmに相当し、広角から中望遠までをカバー。インナーフォーカスを採用し、焦点距離にかかわらずレンズ長に変化はないという。高速オートフォーカス、軽量化、68分から1/2000までの全速同調が可能という。なお、Xシリーズは、アダプターを使うことで、ほぼ全てのハッセルブラッドレンズが使用可能だ。
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