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「最重要視したのは音質」--Beats by Dr. Dreがゼロベースから作り上げた完全ワイヤレスイヤホン

加納恵 (編集部)2019年05月23日 08時30分
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 Beats by Dr. Dreが、5月に発売する「Powerbeats Pro」はアップルとBeats by Dr. Dreのシナジー効果を最大限にいかして開発された完全ワイヤレスイヤホンだ。安定した通信性能を持つ「H1チップ」を搭載し、ワイヤレスでの使いやすさを追求。耐汗、防沫仕様を強化したイヤホン本体は、スポーツ時でも、抜群のフィット感を誇るイヤーフックを採用する。

 ここ数年で急拡大した完全ワイヤレスイヤホン市場に、満を持して登場するPowerbeats Proについて、プレジデントのLuke Wood(ルーク・ウッド)氏に聞いた。

Beats by Dr. Dre プレジデントのLuke Wood氏
Beats by Dr. Dre プレジデントのLuke Wood氏
「Powerbeats Pro」。モス、アイボリー、ネイビー、ブラックの4色展開
「Powerbeats Pro」。モス、アイボリー、ネイビー、ブラックの4色展開

 アップルは2014年にBeats by Dr. Dreをアップルファミリーの一員として迎えた。以降約5年に渡り、両社は協力しながら、ヘッドホン市場に新製品を送り出してきた。ウッド氏は「アップルが持つナレッジとテクノロジーをいかしたヘッドホンを開発するという高い目標があった」と当時を振り返る。

 「アップルファミリーの一員になった時点でBeats by Dr. Dreは、ヘッドホンブランドとしてすでに確立していた。そのため両社の技術開発やマーケティング部分の統合に際してハードルがあった」と話す。そのハードルを越えるため、両社は密に話し合い、Beats by Dr. Dreの製品にアップルの技術を最大限に活かす道を模索。「両社のシナジーを100%生かして開発した初の製品がPowerbeats Proになる」と言う。

 Powerbeats Proの開発期間は約2年半。「ほぼゼロベースから見直した」(ウッド氏)というイヤホン本体は音質を最重要視しており、ドライバ部を、「Powerbeats3 Wireless」などに採用されている単一成形の「ティンパニックドライバ」から異なる振動板素材を使用した「ピストニックドライバ」へと一新。ウッド氏はこの新ドライバを「共振ロスを抑え、迫力のサウンドが再生できる」と表現する。

 ピストニックドライバは、外側にポリマー、中央にアルミを採用し、素材の違いによる周波数再生を実現。これにより、単一素材のドライバに比べ、均一した音の振動が得られるため、クリアな音質を再現する。コンパクトボディながら、フロントチェンバー、バックチェンバーを備え、空気の流れる空間を作ることで、歪みの原因を排除した。フロントチェンバーのエアフロー最適化のためにレーザー加工の穴を成形。ハウジング上部にベンタレーションの穴を設けることでバックチェンバーのエアフローを最適化し、抜けの良い低音再生を実現。ノズルの直径と耳に入る角度を最適化することで、音質と空気の流れを最適化しているという。

 「音質の次に大事なのはフィット感。装着した時の感触や圧力を長い時間研究し、イヤーフック部分の角度も見直した」と装着感にも徹底したこだわりを見せる。

 「ハウジングの形状は、アップルの人間工学チームと共同で見直した。イヤホンの形状で重要なのは、耳の曲線と突出している場所にどう圧がかかるか。今までのイヤホンでは不適切な圧がかかり、それが長時間装着していると不快に感じる原因だった。Powerbeats Proでは、形状を再検討することで、自然でストレスのない装着感を作り出した」と話す。

パーツの選定から素材、塗料、組み立てに至るまですべてがアップル品質

 開発には、アップルが持つリソースをフル活用。数多くの3Dモデリングを使ってテストを繰り返したという。加えて「社内で人を募り、生きたデータを取得できた。耳の大きさや形は人それぞれ。多くの耳の形を知ることでフィット感を再調整できた」と手法を明かした。

 同様にイヤーチップは、「曲面をよりゆるやかにし、素材を変更することで、フィット感と遮蔽感を最適化した。イヤーチップは靴をフィッティングする感覚に近い、大変デリケートなもの。この部分の装着感で音が変わる」と重要性を訴える。

 Powerbeats Proのもう1つの特徴は、新たに採用された、H1チップ。ウッド氏は「接続性能に優れ、バッテリの持ち時間も長い。これはiPhoneだけでなく、Android端末でも同様の性能を発揮できる」と説明する。

 ケースを開ければ自動でペアリングされる簡単接続で、連続再生時間はイヤホン本体のみで約9時間。ケースをフル充電しておけば24時間の再生に対応する。加えて約5分の充電で、約1時間半の使用ができる「FastFuel機能」も装備。「ジムやジョギングなど、スポーツを始める時にバッテリが切れているとモチベーションが下がるが、Powerbeats Proなら5分チャージするだけで、その後1時間半も使える。これは旅先など、移動するとき便利」と自らの経験談を踏まえて話した。

充電ケースと併用すると最大24時間の使用に対応する
充電ケースと併用すると最大24時間の使用に対応する

 Powerbeats Proは、パーツの選定から、使用する素材、塗料、組み立てに至るまで、すべてアップルと同じ品質基準で作られているという。ウッド氏は「さまざまな機能や仕様を加えていく中でも最重要視したのは音質。今回、かなりのダウンサイジングを実現したが、音質部分は全く犠牲にしていない」と言い、「なかでもこだわったのは低音再生。ボディが小さいイヤホンで低音を再現できるのはチャレンジングだったが、Powerbeats Proでは、クラシック、ジャズ、ポップス、ロックとどのジャンルの曲でも低音がエッセンスとしてしっかりと聞き取れる音質に仕上げた」とする。

 耳にかけることで安定した装着を実現するイヤーフック型を採用したPowerbeats Pro。その理由をウッド氏は「今回スポーツ時に使用することを想定しているので、激しく動いても落ちにくいイヤーフック型を採用した。挿入角度をつけられることで高音質再生を確保している」とコメント。耳栓型については「発売の検討はしている」とした。

スポーツ時でも耳から落ちにくいイヤーフック型を採用
スポーツ時でも耳から落ちにくいイヤーフック型を採用

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