米国時間5月8日、世界中のUberドライバーが路上で賃金について抗議した。ドライバーはシドニーやロンドン、ニューヨーク、サンフランシスコで、勤務時間が増えているにもかかわらず賃金は下がっており、生計を立てるのが不可能になりつつあると主張した。抗議活動と並行し、いくつかの都市のドライバーはUberに対するストライキの一環として、自らのアプリを12時間シャットダウンしている。
ストライキと抗議活動は、Uberの新規株式公開(IPO)の2日前というタイミングで実施された。IPOでは90億ドルの調達を目指し、予想評価額は最大915億ドルとされ、これはUberの何百人もの従業員が一夜にして億万長者になるかもしれないことを意味する。そうなると、同社の従業員とドライバーの富の格差がさらに拡大する見通しだ。
「私はパートタイムとして仕事を始めたが、今では皆、生活のためにフルタイムとして働かなければならない」「Uberは毎年、レートに関する指針を変更している」と、サンフランシスコ・ベイエリアで行われた抗議活動の主催者の1人であるドライバーのMostafa Makled氏は述べた。
「The Rideshare Guy」という人気ブログを運営しているロサンゼルスのドライバーのHarry Campbell氏によると、Uberはこの2年間、全米でレートを変更している。同社はドライバーに十分な通告や説明を行わずにこういった変更を行う場合もあるという。
Uberに対するドライバーの抗議活動は今回が初めてではない。ドライバーらは長年にわたって、賃金の低下や勤務時間の長時間化、不十分なサポートに対して次第に不満を募らせており、同社に対する抗議活動や訴訟、ストライキを行ったり、ライバル企業のLyftに移ったりしている。
その一方でUberは、アプリ内チップ機能や顧客を待たなければならないドライバーに割増手当を支払う機能、24時間体制の電話によるサポートといったドライバーの勤務状況を改善するための新たな構想を打ち出してきた。Uberの存在そのものはドライバーの維持にかかっている。彼らなしでは、顧客をもてなせないからだ。
それでも、ドライバーらはUberが打ち出した構想では不十分だと述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」