タクシー配車サービス「DiDi(ディディ)」を運営するDiDiモビリティジャパンは4月24日、サービスエリアを拡大し、東京と京都でサービスを開始した。さらに2019年度中に、北海道や兵庫、福岡などの10都市へサービスを拡大することもあわせて発表した。
DiDiモビリティジャパンは、中国のタクシー配車サービスDiDiとソフトバンクの合弁会社。タクシー利用者とタクシー会社向けに配車アプリのDiDiを提供し、2018年9月27日から大阪エリアでサービスを展開している。これまで東京と京都では実証実験として一部でサービスを提供していたが、大阪での検証も含めてサービスを提供できる体制が整ったことで、全国展開を視野に本格的にサービスを開始した。
今回のサービス開始にあわせて、東京ではアプリ内クレジットカード決済を利用する場合に、送迎料金が無料になるキャンペーンを開始。京都ではアプリへの初回利用時に1000円分のクーポンがもらえるキャンペーンを開始している。ともに終了日は未定とのこと。
サービス機能も拡充し、DiDiのアプリが「Yahoo!乗換案内」と連携。Yahoo!乗換案内のルート検索にDiDiによるタクシー利用項目が追加され、その画面上でタクシーを呼ぶことが可能になった。さらに5月からはスマホ決済サービス「PayPay」に対応する。その際にQRコードやバーコードの読み取り、提示は不要なオンライン決済となる。
これらのほかにも、割引クーポンがもらえる会員プログラムを今夏より開始するほか、利用状況に応じたランク付け、割引などのサービスも提供するとしている。
サービスの開始にあわせてDiDiモビリティジャパンは都内で説明会を開催。同社取締役副社長の菅野圭吾氏が、大阪でのサービス実績に基づく事業展開について説明した。
大阪での半年間の実績としては、中国人観光客ユーザーに多く使用された実績があるほか、若年層への訴求により半年間で当初の10倍のユーザーが登録し、60%の成長を達成した。クロス・マーケティングに委託して実施した大阪での顧客満足度調査で、主要配車アプリ中で1位を獲得したという。タクシー事業者に対する数字では、あるタクシー会社の実績として、走行距離が変わらない中でタクシーが利用者を乗せている実車率が5%増、営業収入が10%増となったケースもあり、加盟社数は当初の12社から現在42社に増加したという。
また、市場で同様のタクシー配車アプリサービスが乱立するなかで、従来の配車アプリとの違いについて菅野氏は、裏側で配車センターを通さないAI配車を実現していることをアピール。「AIの技術で供給と需要をかなり高い精度でマッチングできる」とした。
これを示す具体的な数字として、利用者がタクシーを呼んでから平均5分以内に車両が到着し、到着後に利用者が1分以内で乗車できるケースが6割を超えているという実績を示した。このほかにも、グローバルで5000人の技術者を抱えており、現状もさらなる開発や技術革新でドライバーとユーザーが会うまでの時間短縮に秒単位の精度で磨きをかけているなど、テクノロジー領域での強みを強調した。
日本市場に向けたアプリの機能については、Google マップとの連携、駐車禁止区域の表示などの日本向けのメニューを乗車アプリに搭載したほか、ドライバーの声を踏まえてUIを改善するなど1週間に1度のペースで改善を進めているという。今後も決済機など車内ハードウェアとの連携やドライバー向けの需要を予測するヒートマップ機能、帰庫ルート上の注文だけを受けられる機能、乗車完了時間を分析して次の配車につなげる機能などを実装し、「ユーザーとタクシー会社に便利な仕組みを提供していく」(菅野氏)としている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス