スマートフォンネイティブが見ている世界

ボイチャで他人に個人情報を公開--小学生男児たちのゲーム事情 - (page 2)

ボイスチャットで個人情報公開も

 ゲーム機の問題は色々と起きている。筆者が講演先や息子の学校などで聞いたトラブルは、大体以下のパターンが多い。

「朝学校に行く前に1時間もゲームをしている」

「休みの日は1日中ゲームをしている」

「公園に行っても順番にゲームをしている。待っている間は友だちがゲームをしているのを見ているだけ」

 このあたりならまだかわいいものだが、フレンド問題は保護者としては非常に悩ましい。フレンドになると、相手がオンラインになっていることが確認できる。フレンドやSNSでつながっている相手などとは、ボイスチャットもできてしまう。

JKというユーザーがフレンドコードをTwitterで公開していた
JKというユーザーがフレンドコードをTwitterで公開していた

 フレンドは、近くの人や一緒に遊んだ人のほか、フレンドコードからも追加できるようになっている。実は、Twitterなどで「#フレンド募集」などのハッシュタグでフレンドコードを公開している10代の子どもは少なくない状態だ。

「友だちがオンラインになっているからと言って、自分もゲームを始めてしまう」

「知らない人とボイスチャットをして、個人情報を教えてしまった」

 というトラブルも複数聞いた。

 友だちとボイスチャットをしながらゲームをするととても楽しいようで、学校の友だちとのみ、やり取りしている例は多い。ただし、ボイスチャットをするためにはアプリなどが必要なため、通話はできず聞く専門となっている小学生もいるようだ。

 ボイスチャットでは、お互いに相手を非難し始めて喧嘩になったなどのトラブルも聞いている。顔が見えないやり取りに慣れていない子どもには難しい面があるのだ。それだけでなく、フレンドコードを公開して知らない人とボイスチャットをしながらゲームをプレイし、個人情報をやり取りしてしまっている例も少なくない。「個人情報を教えてはだめと言っていたのに、小学生の息子が学校名や学年、趣味などを知らない人に教えてしまっていた」という話を聞いた。

 小学生のうちは、聞かれたことには素直に答えてしまう子どもが少なくないようだ。知らない人とはやり取りさせない方が安心ではないだろうか。そもそも、「Nintendo Switch Online」は13歳以上のみが対象とされており、小学生は対象外だ。

 ゲーム機のゲームも、トラブルのもとになることがある。低年齢の子どもだけではトラブルにつながりかねない機能もあるので、そもそも子どもにそのような機能を利用させるのかどうかは事前によく検討して導入してほしい。その上で、子どもの利用状況はしっかりと見守る必要があるだろう。

高橋暁子

ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディア等の記事の執筆、企業等のコンサルタント、講演、セミナー等を手がける。SNS等のウェブサービスや、情報リテラシー教育について詳しい。
元小学校教員。
『スマホ×ソーシャルで儲かる会社に変わる本』『Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本』(共に日本実業出版社)他著書多数。
近著は『ソーシャルメディア中毒 つながりに溺れる人たち』(幻冬舎)。

ブログ:http://akiakatsuki.hatenablog.com/

Twitter:@akiakatsuki

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