Pinterestは米国時間4月18日、新規株式公開(IPO)を果たした。初日の取り引きは公開価格を28%上回る1株あたり24.40ドル(約2730円)で引け、評価額は約130億ドル(約1兆4560億円)になった。
ウォール街では新興テクノロジー関連株を求める傾向が強まっているが、投資家らが新たなソーシャルネットワークにぜひとも賭けてみようと思える状況になったのは、Snapが2年前に上場して以来、Pinterestが初めての機会となる(Snapはその後、評価額が約半分に落ち込み、現在の市場価値は約150億ドル[約1兆6800億円]だ)。
Pinterestは設立から9年になる。ちょうど初代「iPad」の登場と同じ頃にサービスを開始した。Facebookがまだ月間ユーザーを5億人ほどしか集められていなかった頃だ(現在は23億人を超える)。しかしPinterestは、FacebookやInstagram、Twitterなどの同業他社とは異なる。ニュースを得る場所としては知られていない。友人にメッセージを送る強力な手段を持っているわけでもない。ライブストリーミングや仮想現実(VR)などの素晴らしい新サービスや新技術を考案しようともしていない。
Pinterestは、レシピや、家の中をお洒落に整理する方法、結婚披露宴のアイデアなど、インターネットで見つけたものを「ピン」する場所だ。ピンしたアイテムは、作成した一連の「ボード」に画像として並べられ、友人と共有できる。
これにより、Pinterestは最強のデジタルスクラップブックになる。
Pinterestの売りは、自分を刺激してくれるものをいとも簡単に見つけられる点だ。
世界中の2億5000万人にサイトを毎月チェックしてもらう理由としては、それだけで十分だ。Pinterestによると、米国の母親10人のうち8人、およびミレニアル世代全体の半数以上は少なくとも月に1回、Pinterestにアクセスしているという。
Pinterestのユーザー増加率は前年と変わらないが、同社の広告事業は変化している。Pinterestが2018年に計上した売上高は、前年比で約60%増の約7億5600万ドル(約847億円)だった。損失は、2017年の半分にも満たない6250万ドル(約70億円)に縮小した。
全体として、これでPinterestはウォール街に好材料を提供し、Lyftなどの企業が計上している多額の損失に苛立っているかもしれない投資家らに、テクノロジー株の新たな選択肢をもたらすことになる。Lyftは3月に上場したが、それに先立ち、2018年の損失が前年比で約32%増の9億1100万ドル(約1020億円)超になったと報告していた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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