SBIネオモバイル証券は4月10日、共通ポイントサービスの「Tポイント」を使って株式を購入できる金融サービス「ネオモバ」を開始した。ネオモバは、株式投資初心者や若年層をターゲットとしたもので、身近で活用しているTポイントとスマートフォンを使った簡単な取引方法を採用することによって、リスクを抑え、入口のハードルを低く設定している。
ネオモバでは、株式を購入する際、通常の決済のほかにTポイントを1ポイント1円相当で利用できる。少額の取引に対応しており、従来国内株式の取引は100株単位から行うところを1株、数百円から購入できるようにした。また、ユーザーが保有しているTポイントの範囲内で購入できるように、指定金額内で発注できる注文方式も用意している。
手数料に関しては、サブスクリプション方式で対応。1回ごとの課金ではなく、月間に50万円までの取引であれば月額200円(税抜)で何度でも利用できるようにした。その際、月ごとに200ポイントとサービス利用料100円(税抜)につき1ポイントが付与されるため、複数回利用しても手数料がほぼかからない仕組みになっている。
若年層向けのサービスとしてスマートフォンからのアクセスを想定しており、投資画面は株式チャートなどの数字の羅列にならないような、初心者向けの親しみやすいシンプルなデザインを採用している。手順も、「ネット通販のような使い勝手で、3ステップで取引できる」(SBIネオモバイル証券代表取締役社長の小川裕之氏)という簡単な操作性を実現した。
このほかに、銘柄選びや運用をサポートする全自動の資産運用サービスも提供する。ウェルスナビが提供するロボアドバイザー「WealthNavi」を初心者向けの同サービス用にカスタマイズし、最低投資金額1万円からの“おまかせ”な資産運用サービスを実現した。
今後は、「Tポイントのデータを活用し、ユーザーのライフスタイルに合った株主優待サービスの付いた銘柄をレコメンドするなどのサービスも計画している」(小川氏)という。
SBIネオモバイル証券は、SBI証券とCCCマーケティングの合弁会社として2018年10月に発足。SBI証券は、「2019年3月末で453万口座突破、個人株式取引における売買代金シェアが36.3%のシェアナンバーワンオンライン証券」(SBI証券代表取締役社長の髙村正人氏)で、CCCグループのTポイントは、「国内のアクティブユーザーが6888万人の国内最大の共通ポイントサービスで、20代から40代以上の人口の83.1%が会員」(CCCマーケティング代表取締役社長の北村和彦氏)となっている。
SBI証券は今回、若年層ユーザーを多く抱えるCCCグループと組むことで、フォローしきれていなかった若年層・初心者向けに特化したモバイル証券サービスを実現した。マルチブランドでサービスを展開し、ネオモバで株式投資初心者層を取り込み、投資意欲を喚起して従来型のフルラインアップのサービスにつなげていく構えだ。「早急に50万口座の顧客獲得を目指す」(髙村氏)としている。
一方、CCCマーケティングのメリットは、「ポイント投資という新たな価値を付けられるチャンス」(北村氏)という部分。同社が会員に実施したアンケートでは、投資をしない理由として「失敗した時が怖い」「元手がない」「どこで始めればいいか分からない」という問題が3大障壁だったが、これらをSBI証券との提携によって解消し、新たに証券領域のサービスを提供できるとしている。
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