スマートロックにブロックチェーンを組み合わせたビジネスを展開するブロックチェーンロックは4月8日、サービスとデバイスの新ブランド「KEYVOX(キーボックス)」を発表した。スマートロックを発売するほか、SaaS型サービスの提供を開始する。
ブロックチェーンロックは、2018年に楽天ブラジルのCEOなどを務めた岡本健氏が設立。ブロックチェーン技術の開発、運用とIoT機器の企画、開発、製造、販売を手がけている。
2018年8月には、商用ブロックチェーン「BCLチェーン」プロジェクトを発表。シェアリングエコノミーに特化して設計され、不動産や自動車、自転車などのシェアリングビジネスに最適な仕組みとしており、将来的には、留守中に家事サービスを頼むと、スマートロックを使って解錠し、家事を終えて施錠したタイミングで支払いができたり、シェアサイクルの解錠とともに課金されたりといった仕組みを整えるとしていた。
デバイスとして発表されたのは、スマートロック「BCL-XP1」(価格:5万4800円)、「BCL-XE1」(同:1万5000円)、外付けPINパッド「BCL-MBJ1」(同:4500円)のほか、施設用のセンターロックソリューション「BCL-CL1」、ブロックチェーンロックチェーン上で、空間運営のスマートコントラクト発行、署名などができるP2P空間運営ハブ「BCL-BCC1」(同:1万2800円)。発売は5月から順次。パートナーを通じて販売し、BCC1のみ、Makuakeでクラウドファンディングを実施している。
スマートロックは、NFCやPINコード、Bluetoothなどで解錠ができ、次期モデルではQRコードリーダーも実装する予定。QR対応になれば、Bluetoothよりも、短い時間での解錠が可能になるとしている。
あわせてSaaS型サービスとしては、ビジネス利用を想定し、解施錠のほか、入退出履歴などが残せる「KEYVOX Lite」(月額500円/ドア)、解施錠のほか、予約やレンタル料金の設定、管理などができ、空間ビジネスに使用できる「KEYVOX Pro」(月額1500円〜/ドア)、KEYVOX Proの機能に加え、OEMでアプリや電子マネーなどを提供する「KEYVOX Enterprise」(価格は問い合わせ)の3つを用意した。
ユーザーターゲットは、5000万世帯あると言われる住居をはじめ、オフィス、宿泊施設など。オフィスや宿泊施設にはKEYVOXビジネスサービスとして、クラウド型アクセスコントロール管理画面のほか、予約や支払い機能を備えたユーザー向けアプリを提供する。
すでに、6月にオープンする宿泊施設「REYADO九段下」と10月にオープンにする「Yoloホテル大阪」には、KEYVOXの導入が予定されているとのこと。
今後は、以前から協業を進めているTISとともに、独自の電子マネーBCLマネーを使ったQR決済サービスや、野村総合研究所とロッカーの検索、空き情報、予約、支払いなどが一元管理でできる「新コンセプト公共ロッカー」の開発を予定しているとのこと。また、野村総合研究所とは、秘密鍵分散管理リカバリーサービスについても検討しており、秘密鍵を安全にリカバリーするサービスの組み込みも視野に入れている。
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