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動画サイト「Vimeo」のCEOが語る成長戦略--最も伸びているのは日本と韓国

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 動画プラットフォームの「Vimeo」(InterActiveCorp傘下)が好調だ。2017年ごろから複数の企業を買収し、ストリーミングサービスもはじめ、いくつかの新サービスも発表している。2月28日までスペイン・バルセロナで開催された「Mobile World Congress 2019」では、Vimeoの最高経営責任者(CEO)であるAnjali Sud氏が基調講演のステージに立ち、同社の全体戦略について語った。

Vimeo最高経営責任者(CEO)のAnjali Sud氏
Vimeo最高経営責任者(CEO)のAnjali Sud氏

 Vimeoは、2004年に創業した動画プラットフォーム。ビデオの時代を見込んで社名は「Video」と「Me」を組み合わせた。それから15年、動画は主役になった。「動画はエンターテイメントのデファクトになり、現在はコミュニケーションやコマースでもデファクトになりつつある」とSud氏は話す。

 今回のMWCでは「5G」がキーワードとなった。5Gがもたらす高速・大容量の無線通信を使えば簡単に動画コンテンツの視聴、アップロードが可能になる。動画が重要な要素になることは間違いない。「オーディエンスや顧客は世界中におり、いつでも高品質でエンゲージの高いコンテンツを期待している」とSud氏。

 続けて「2019年にはモバイルトラフィックの80%が動画になる。成功のためには動画は必須になる」と語る。Facebookの投稿を分析したところ、動画は他のマーケティング手法よりも63%エンゲージが高かったという。誰かに自分(自社)のメッセージを見て欲しいなら動画が有用といえる。

Vimeoのビジネスモデルは「広告ではない」

 Sud氏自身は2014年にVimeoに入社し、2017年にCEOに就任した。Sud氏がCEOに就任する前後からVimeoはVHX、Livestreamなどを買収し、OTTサービス、ライブストリーミングサービス「Vimeo Live」、360度動画などを提供していた。2018年には動画のストックサービスも開始している。

 Vimeoでは、動画コンテンツの作成・配信などのためのツールを提供している。無料でも利用できるが、ビジネスモデルはサブスクリプションだ。データ量とユーザー数に応じて「Plus」「Pro」「Business」、そしてBusinessにライブストリーミング機能が付いた「Premium」の4つのプランを用意している。

 「VimeoはSaaSビジネス。ビジネスモデルは広告ではない」とSud氏。これは戦略において重要なポイントだ。「ユーザーをプラットフォームに長く滞在させることは考えていない。中立的な立場で、ユーザーがオーディエンスを見つけてコンテンツを届けることを支援できる」という。

 ソーシャルディストリビューションツールでは、YouTube、Facebook、Twitterなどのサービスにネイティブに配信できる。これまではどこに動画を投稿するかを選ぶ必要があったのに対し、Vimeoなら「オーディエンスがいるところに配信できる」(Sud氏)という。さらには統計ダッシュボードを提供し、ソーシャルでの反応などを確認できる。Pro以上は動画を販売する機能もあり、マネタイズ支援も手がける。

通年で1億6000万ドルの売上を達成

 2月に初めて発表した決算では、2018年第4四半期の売上高を前年同期比28%増の4420万ドル(約49億円)、通年では1億6000万ドル(約178億円)と報告している。登録ユーザーは95万人、1人あたりの売り上げは22%増加している。どの地区でも成長しているが、中でも日本、韓国が最も成長しているという。

 Sud氏は最新サービスをいくつか紹介した。例えばOTTサービスでは、自分の動画チャンネルを展開できる。Vimeoの顧客は自社顧客やユーザーにサブスクリプションサービスを提供できる。ヨガのインストラクターがバーチャルに教室を開いたりしている例もあるとのこと。OTTは現在Vimeoの中で最も成長しているサービスで、1000以上のチャンネルがあるという。

 ライブストリーミングでは、世界経済フォーラムがVimeoを使ってダボス会議をストリーミングしたり、欧州宇宙機関がスペースシャトルのローンチをストリーミングするなどしているという。ユニークなところでは社内での利用がある。例えば世界中にオフィスを持つWeWorkでは、Vimeoのライブストリーミングを使って従業員のハンズオンやトレーニングをしているという。このほか最新サービスであるストックは、クリエイターによる高品質な動画のマーケットプレイスで、Vimeoのクリエイターコミュニティを活用しているという。

 同社が現在フォーカスしていることの1つがAIだ。機械学習を利用したレコメンドなど改善を続けているという。「データはたくさんあるが、そこから洞察を得ることは簡単ではない。データでクリエイターをエンパワーするために、我々はここに大きくフォーカスしている」とSud氏。編集側でも、ライブストリーミング中の編集機能などでAIの活用を進めるという。

 すべての土台にあるのは「動画で成功する」ことだ。Sud氏はVimeoのビジョンについて、「動画がどこでも使われる時代になる。Vimeoは動画での成功を支援する」と語った。

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