みずほ銀行は2月20日、スマートフォンでのQRコード決済サービス「J-Coin Pay」を発表した。3月1日からアプリの提供を始め、以降順次サービスを拡大していく意向。
J-Coin Payでは、銀行口座から任意の金額をチャージして加盟店での支払いが可能な他、個人間の送金にも対応する。チャージ金額は1円単位からで上限は設けていない。一度チャージした電子マネーを口座に再び戻せる点も特長だ。
決済に関わる手数料が不要で、24時間365日、無料で利用可能なスマホ上のATMといった感覚で手軽に使える。使い方は、店頭などでQRコードをスマホで読み取って料金を支払う方法の他、SMSやLINEアカウントを通じての支払いも可能だ。
“電子マネーのオープンなプラットフォーム”と位置づけだが、記者会見に登壇した、みずほフィナンシャルグループ(みずほFG)取締役で執行役社長、グループ最高経営責任者(CEO)の坂井辰史氏は「これまで自前主義だった金融サービスを地方銀行とともに銀行系決済プラットフォームとして構築することで顧客ニーズの変化に対応したい」と説明。 みずほ銀行単独ではなく、他の金融機関との提携を積極的に推進し、「2年程度で全国の地方銀行など約70以上の金融機関の参画を目指す」とし、まずは3月25日に20行の銀行口座の登録が可能になる見通しだ。
一方、加盟店に関しては現在、ビックカメラ、ファミリーマート、すかいらーくホールディングス、松屋フーズホールディングス、大創産業(ダイソー)といった小売店、JR東日本、JapanTaxiなどの公共交通機関が導入を検討中とのこと。現時点で、正式決定している事業者は明らかにされず、サービス開始当初は、個人間の送金機能が主流となりそうだ。
専務執行役員で最高デジタルイノベーション責任者(Chief Digital Innovation Officer:CDIO)の山田大介氏は「金融機関として100年間も厳格な個人情報管理を行ってきた信用力があり、預金者にとっての安心度も高い」「従来からの銀行ならではの強固な顧客基盤」「手数料・導入コストの安さ」を挙げて、早期普及拡大に自信を示した。
また、銀行主導のプラットフォームのため、他のスマホ決済サービスで適用される「資金決済法」で定める“1回あたり100万円以下”という取引金額の制限を受けないこともメリットとして掲げる。「企業の給与支払いや経費精算をはじめ、企業間取引の手形決済のようなサービス拡大の方向も視野に入れている」と説明した。
さらに、中国の「UnionPay(銀聯)」や「Alipay(支付宝)」をはじめ、世界の決済業者との連携も開始予定で、2020年の東京五輪開催を照準にしたインバウンド需要への利便性も高めることも狙いだ。
10月に予定されている消費増税に伴い、政府が導入を計画している「キャッシュレスポイン還元」に合わせた加盟店の拡大も図る。普及に向け、PayPayほどの規模ではないものの、「キャッシュバックのようなキャンペーンの実施も検討している」(山田氏)とのことだ。
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