パロニムは、動画内のオブジェクトにタッチするだけで、知りたい情報にたどり着ける動画技術「TIG」を開発するベンチャー企業である。「動画視聴数は増えているが検索への移行が難しい。たとえばイベント開催案内の住所に『TIG付け』すればGoogleマップが開き、ミュージシャンをタップすればInstagramが開く」(パロニム代表取締役の小林道生氏)。動画視聴時におけるユーザーの視聴行動データを収集することで可視化データによるビジネス展開が容易になるという。
同社は2018年7月にNDVを通じてドコモから出資を受けているが、ドコモは2019年1月18日から「新体感ライブ」を提供している。マルチアングルライブやARフィギア、TIGといった特徴を備えることで、各アーティストの映像などタイアップ企画が進行中。ドコモは「現在はプロモーション動画だけだが、今後は多方面に拡大したい」(NTTドコモ コンシューマビジネス推進部 デジタルコンテンツサービス デジタルコンテンツ企画担当課長 山崎裕司氏)と語る。
ドコモの一目惚れから始まり、約3カ月間で協業に至った両社だが、今後は「3月中旬に『TIG Magazine』をリリースする。静止画からTIGれる統合的なマガジンサービスになる予定だ。今後は生放送・生配信でもTIGを実現させるため、ドコモの画像認識やセンサー技術と組み合わせて発展させたい」(小林氏)と展望をつまびらかに語った。
ゲームストリーミングサービス「Hatch」を展開するフィンランドのHatch Entertainmentは、2月4日にNDV経由でドコモから出資を受けて日本上陸を果たした。dアカウントを使ってHatchにログインすると世界中のゲームを容易に楽しめるようになる。「Netflixなど映画や音楽のストリーミングサービスは普及しているが、ゲームはまだ。Hatchはノンダウンロードで素早くゲームを楽しめる」と、Hatch Entertainment Head of MarketingのLassi Nummi氏はアピールする。今回スマートフォン以外にドコモテレビターミナルにも対応し、あらゆる場面で300タイトル以上のゲームを楽しめるという。
ドコモは5Gネットワークのローンチを踏まえて、多くのコンテンツを必要としている。既存の「dゲーム」や「shift for docomo」にHatchを加えることで、今後「ウェブ検索と同じ道を歩む厳しいゲーム市場においてもビジネス展開を強化する」(NTTドコモ コンシューマビジネス推進部 デジタルコンテンツサービス ゲームビジネス担当課長 細川正人氏)ための業務提携だ。同社は「海外ゲームを国内プレイヤーへ。日本ゲームを海外プレイヤーへお届けするきっかけになる」(細川氏)と今回の提携意義を述べた。
日本のゲーム市場についてHatch Entertainmentは、「ゲームはグローバルのエンターテインメント。Hatchには長期のプレイヤーも存在するため、日本の方々も興味深いと思ってもらえるはず。今後はドコモとの協業でタイトル数を増やしていく」(Nummi氏)と回答。今回の日本上陸にあたり、タイトーの「アルカノイド」のリメイク版もリリースする。今後については、「我々はデータドリブンの企業だ。3カ月のトライアル期間で学習を重ね、その上で日本市場に対するサクセスストーリーを築く」とNummi氏は目標を掲げた。
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