さらに、ヤフーの成長計画についても言及があった。インターネット産業特有の激しい市場変化を危機かつチャンスとして捉え、スマートフォンシフト、Yahoo!ショッピングなどECの強化、データドリブンカンパニーとしてのKPIであるログインID数を伸ばすことができたと川邊氏は語る。今後は、オンラインだけでなく、PayPayを筆頭にオフライン領域にも進出。両者にまたがったマネタイズポイントを作り、新しいビジネスの機会を創出する。
現在、ヤフーが提供する広告は、オンラインをベースに認知と検索に絞っており、リアルでは一部店舗への来店送客にとどまっていた。そこで、オフライン決済のPayPayとデータドリブンを活用し、認知から検索、購入、リピートまでを網羅するオンライン・オフライン統合マーケティングソリューションを提供する。具体的には、Yahoo!ショッピングに出店する企業の実店舗向けクーポンをPayPayで配布するといったことが可能になるという。
ヤフーの主力であるオンライン広告は、6兆円と言われる広告市場に該当するが、販売促進市場は15兆円にも上る。PayPayを使ったオフラインでの販促施策を組み合わせることで、現在のオンライン広告の売上である3000億円に、販促市場を見据えた統合マーケティングソリューションの提供で2000億円を上乗せし、2023年度までに広告売上5000億円を目指す。
最後に川邊氏は、「ヤフーにしかできない未来を創りたい。さまざまな危機を乗り越えてきたが、まだ危機感は大変強い」とし、「身内では、米国のヤフーインクが消滅した。同社の決算を見たが、もし我々がチャレンジしなければこうなっていたという姿だったかもしれない。さまざまなネットの変化を捉え、危機をチャンスにできる経営をしたい」と意気込みを示した。
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