自転車の走行エネルギーを駐輪場で回収する「S-PARK」--アムステルダムで考案

 オランダにおいて、自転車の走行エネルギーを電力に変換してバッテリへ蓄電し、駐輪場で回収して利用するシステム「S-PARK」が考案された。

自転車の走行エネルギーを駐輪場で回収(出典:S-PARK公式サイト)
自転車の走行エネルギーを駐輪場で回収(出典:S-PARK公式サイト)

 S-PARKは、自転車の前輪として使える特殊なホイールと、このホイールに対応する駐輪用ラックで構成されるシステム。S-PARK用ホイールを装着した自転車は、走行時やブレーキング時に発電し、搭載しているバッテリに電力をためていく。この自転車を専用のラックに駐輪すると、バッテリの電力が接続された電力網へ送られる仕組みだ。

前輪で発電した電力をバッテリにためる(出典:S-PARK公式サイト)
前輪で発電した電力をバッテリにためる(出典:S-PARK公式サイト)
その電力を駐輪場で回収(出典:S-PARK公式サイト)
その電力を駐輪場で回収(出典:S-PARK公式サイト)

 アムステルダムは自転車の利用者が多く、1日当たりの総走行距離は200万kmにも及ぶという。そして、これら自転車による移動で生み出されるエネルギーは平均1950万Whに相当するそうだ。このエネルギーを有効活用しようというのが、S-PARKの目的である。

 1つのラックには30台の自転車が駐輪可能で、各自転車が平均して1日3.6km走れば約1kWhの電力が得られるとしている。これを1年間続けると、二酸化炭素(CO2)615kgの排出を減らせる。

S-PARKを考案した2人のデザイナー(出典:S-PARK公式サイト)
S-PARKを考案した2人のデザイナー(出典:S-PARK公式サイト)

 なお、S-PARKは、アムステルダムでのクリーンエネルギー活用を考える取り組み「WhatDesignCanDo Clean Energy Challenge」の一環として考案された。

S-PARKの紹介ビデオ(出典:Vimeo)


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