米ニュージャージー州の警察が、GPSトラッカーが付いている偽のAmazonの箱と監視カメラを利用して、オンラインで買い物をした人の配送物を玄関先から持ち去る窃盗犯を逮捕しているという。
ジャージーシティ警察は、Amazonと連携し、玄関先におとりの箱を置き、ドアベルカメラを仕込んで窃盗犯を逮捕している。
APによると、同警察はおとりの箱とカメラを設置する場所を、Amazonが提供する盗難が起きた場所についてのマッピングデータと、市内独自の犯罪統計に基づいて決めているという。
偽の箱は、この任務への参加を申し出た警察署員の自宅の玄関先に置かれる。
今回公表されたこの任務によって、同様の窃盗を目論んでいる人が、市内の家の玄関先から荷物を盗むことを考え直すようになることが期待される。
ジャージーシティ警察によると、偽の箱が置かれてからわずか3分ほどで持ち去られてしまうケースもあったという。無論、犯人は逮捕された。
同警察は、特定の場所への監視カメラの設置やGPS追跡といった、さまざまな方法を駆使して窃盗犯を逮捕している。
米国時間12月11日には、ミネソタ州のセントポール警察が、GPS装置の仕込まれた「Operation Drop Box」の試用を行ったとStarTribuneが報じた。この任務は、標準的な商業用輸送車に乗った配送員がおとりの箱を協力者の家の玄関先に置くというものだった。
この任務では、3台の警察車両が現場付近に配置された。そのうちの1台である覆面パトカーが箱が見える位置から監視を続け、別の覆面パトカーに乗った警官がさらに離れた場所からiPadで箱の位置情報を追跡し、別の場所に駐車されたパトカーで警官2名が逮捕に至った場合に備えて待機した。
同様のプログラムの試用は、ニューメキシコ州のアルバカーキやカリフォルニア州のヘイワードでも行われていると、APは報じている。
ジャージーシティ警察のプログラムは、法的な審査を受け、州検察当局の承認を得ているという。また、セントポール警察の任務を率いたJason Urbanski巡査部長は、警察は誰かにわなを仕掛け、故意に犯罪を行わせているわけではないとStarTribuneに述べている。
この玄関先での盗難がどれほど大規模な問題なのかは正確には判明していないが、insuranceQuotesによると、玄関先から荷物が持ち去された米国人は2017年の調査で推定2590万人に上ったという。
米国郵便公社(USPS)によると、クリスマス直前の2週間でおよそ2億もの荷物が配送され、ホリデーシーズン全体だとその数は合計で9億にも上るという。United Parcel Services(UPS)も、同様の期間におよそ8億の荷物を配送すると報じられている。
玄関先での盗難に対するAmazonの解決策の1つが、「Amazon Key」だ。Amazonの荷物を届ける配送員が、クラウド型カメラの監視の下、家屋内に入って荷物を置いていっても構わないという利用客に対するサービスとなっている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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