人工知能(AI)主導のモビリティソリューションを提供するWaycareと、ネバダ州運輸局によるAI主導の交通安全テストプログラムが、交通量の多いラスベガスの州間高速道路15号線で起きる自動車事故の削減に貢献した。
シリコンバレーにオフィスを持つWaycareのシステムは、ネットに接続している車両、道路カメラ、Wazeなどのカーナビアプリからのデータを利用して、市内道路の全体像を構築し、交通安全の向上のためにデータを地方の交通局と共有している。
Waycareは2018年4月、Google傘下のWazeと提携し、「市がドライバーに連絡し、危ない道路や、危険性、事故などを事前に知らせることができるように」すると発表した。WazeのクラウドソースのデータはWaycareの交通管理システムにもフィードされ、市は多くのデータを利用しながら交通を管理できるようになる。
Waycareはこのたび、南ネバダ運輸局(RTC)、ネバダハイウェイパトロール(NHP)、ネバダ州陸運局(NDOT)と連携して行った、1年間に及ぶテストプログラムを完了した。
RTCは、Waycareがラスベガスの州間高速道路15号線で起きる一次的な自動車事故の件数を17%削減するのに寄与したと発表した。
Waycareのデータと予測分析技術が、ラスベガス市の安全交通管理局がリスクの高い地域で予防措置を講じることを可能にした。
予防措置が講じられた地域では、ドライバーの91%が時速65マイル(約104km)以下に減速するようになったとRTCは述べている。
Waycareは、いつどこで事故が起こる可能性があるかについての予測を詳述したアラートを交通局に提供している。RTCはその後、伝言板システムを通じてアラートをドライバーに送り、減速し、細心の注意を払って運転するよう勧告する。
また、NHPはパトロール車両を高速道路の分かりやすい場所に配置しており、NDOTは高速道路にいる警官のために確実に防護柵が設置されているようにしている。
「こういった最新の統計に加え、われわれがWaycareのプラットフォームを利用してこれまでよりも最大12分間早く事故を特定できるようになっている事実は、官民の提携で何が実現できるかを物語っている。またAIがあらゆる人にとってより良い交通システムの近代化と構築に役立っていることの証左でもある」と、RTCのゼネラルマネージャーであるTina Quigley氏は述べた。
NHPはまた、事故になり得る可能性を事前に把握するのに役立つ予測データにも言及している。
「これまで、警察は信頼性の乏しい証拠を頼りに、交通関連の問題に対処するリソースを配置していた」と、NHPのDaniel Solow警部補は述べた。
「Waycareが南ネバダにもたらしたテクノロジによって、いまではハイウェイパトロールは、何か起こる可能性が高いとシステムが断定した地域に先を見越して部隊を配置し、事前に事故を防ぐことができる。これにより、事故の負傷者にこれまでよりはるかに迅速に処置を施すことができるようになる。また、より早い事故現場の片付けや通常の交通の流れの再開、そして渋滞に関連する何百万ドルもの商業的な被害の予防にもつながる」とも、Solow警部補は述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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