カリフォルニア州、山火事の犠牲者特定に交戦地帯のDNA鑑定技術を採用

Zoey Chong (CNET News) 翻訳校正: 編集部2018年11月22日 11時36分

 カリフォルニア州は、同州でいまだ続いている大規模な山火事の犠牲者の迅速な特定に取り組んでいる。雨の予報も出ており、遺体が押し流されてしまう恐れがあるからだ。

 州当局は、従来のDNA解析技術の代わりに、通常、交戦地帯で犠牲者の特定に用いられるDNA鑑定技術を使用すると、米国時間11月19日にBloombergが報じた。従来の技術は人物の特定に数週間かかることもあり、熱傷がひどい犠牲者の特定ではあまり有効でないという。

 DNA解析を専門に行うANDEが、「lab in a box」(箱の中の検査室)と同社が説明する、事務用プリンタほどの大きさの現地機器を提供するとBloombergが報じている。この機器はDNAの自動解析と遺伝子プロファイルの作成を2時間以内に行えるという。

 ANDEのチームは、救急隊員が火災現場で収集した組織や骨の断片からDNAサンプルを抽出し、リファレンスデータベースと照合する。このデータベースは、山火事による行方不明者の家族から採取した口腔粘膜の検体に基づいて構築される。

 この機器は、交戦地帯や犯罪現場のようなDNAサンプルを急いで処理しなければならない場所や、DNA検査室が利用できない場合のために作られたもので、自然災害の現場で使われるのは2000年にANDEが設立されてから初めてのことだという。

 「最大の懸念は、多くの遺体がひどく腐敗していたり、著しく劣化したりしているという事実だった」とANDEの最高コミュニケーション責任者(CCO)であるAnnette Mattern氏はBloombergに述べた。

 「われわれは火事に対処しているが、DNAの抽出において火事は最悪のシナリオだ」とも同氏は述べた。

 11月8日に始まったカリフォルニア州の山火事による現時点での死亡者は80人を超え、行方不明者は1000人以上におよんだ。11月16日にNASAの人工衛星「Terra」が宇宙から撮影した写真からも、山火事の規模の大きさが伝わる。

California State
猛威を振るうカリフォルニア州の山火事
提供:David McNew/Getty Images

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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