オンラインカスタムシャツブランド「Original Stitch(オリジナルスティッチ)」を展開するOriginalは11月19日、2018年春に構想を発表していた高精度身体採寸テクノロジ「Bodygram」をBtoB事業として正式ローンチしたと発表した。
また、Bodygramによる採寸データを蓄積し、さまざまな用途に活用するためのデータ・プラットフォーム「BodyBank」も同時にスタートさせた。
Bodygramは、深層学習等の機械学習アルゴリズムを用い、スマートフォンで正面と側面の全身写真を撮影・アップロードと、身長、体重、性別、年齢の入力するだけで被写体の実寸を瞬時に測定できるテクノロジ。
周囲の背景から被写体のみを自動で抽出し、衣服を着たままで肩幅や首周りなど全身16カ所の採寸を可能にしている。通常の衣服を着たまま正確な採寸が可能なため、衣服の着脱や特殊なスーツの購入は不要で、スマートフォン端末のみで身体採寸が行えるのが特徴。
技術開発の一環として行った採寸テストでは、さまざまな人種・体型の被験者800名を集めBodygram採寸データとプロのテーラーによるメジャー採寸データとを比較。ほとんどの身体のパーツで誤差1cm以内、身体採寸精度は99%に到達したという。
同社によると、Original Stitchの成長と共に次なる主軸ビジネスとして研究開発を実施。当初はコンシューマー向けツールとして開発していたが、マスカスタマイゼーションを実現する鍵として、テクノロジーパートナー企業向けのBtoBテクノロジとして提供することになったという。
パートナー企業は、Bodybankを通じて自社ウェブサービスやアプリに身体採寸ソリューションが導入可能。また、採寸データを活用したカスタムフィットプロダクトや、既成品ブランドと消費者のサイズのマッチング、精度の高い細かな採寸データを取得による各種ECサービスの収益向上と返品率の改善などに貢献できるとしている。
同社は、マス・カスタマイゼーション/パーソナライゼーションのエコシステムを共に創出すべく、より多様な業界のパートナー企業との研究開発を予定。
なお、米国において身体採寸テクノロジとして2つの国際特許を申請しており、2018年10月からは採寸技術と取得データをさまざまなウェブサービスやアプリに導入可能なデベロッパー向けソフトウェア開発キット(SDK)の提供を開始。2018年8月に発表した寝具メーカー「エアウィーヴ」との業務提携では、ユーザーの体形に合わせ硬さを調節した寝具を生産する過程でBodygramでの採寸データを提供している。
同社では、Original Stitchのモバイルアプリケーションやエアウィーヴのみならず、今後更なる導入事例やアライアンス締結の発表を予定しているという。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」