AIを「試す」段階は終わった--FRONTEO、第2世代の独自AI「KIBIT G2」を提供開始 - (page 2)

開発前コンサルから運用まで支援する専門部署も

 KIBIT G2の提供に合わせてFRONTEOは、受託開発業務の体制を強化する方針も発表した。従来もKIBITを利用した業務システムの受託開発を請け負っていたが、新エンジンの提供が始まったことで、より積極的に受託開発に取り組むとしている。

 体制強化の目玉となるのが、新部署「AI BizDevOps Lab.」の創設だ。従来は顧客のビジネス課題を見つけ出して解決方法を立案する部署、システムを開発する部署、運用を担当する部署の合計3部署の連携が十分とは言えない部分があった。そのため、最初の段階で立案した解決方法に従ってシステムを実装しようとすると、コストがかかりすぎる、あるいは運用に手間がかかりすぎるという事態を招くこともあったという。

 AI BizDevOps Lab.は、顧客との最初の面談から上記3部署の担当者を同席させ、開発と運用まで考えた解決策を考える体制を作る。さらに、開発、支援の各段階で、よりよい手法を提案することで開発や運用の効率を高める。システム運用開始後も必要に応じて新しいデータによる再学習を実施し、解析精度を高いレベルで維持するという。

新エンジンを組み込んだ特許調査システムも登場

 FRONTEOは従来からKIBITのエンジンを利用した専用アプリを開発販売しているが、今回の新エンジンを搭載した専用アプリの提供も始めた。

 新たに提供を始めたのは特許調査システム「Patent Explorer 19」。発明提案書や特許公報など、特許技術の特徴を的確に表している文書を教師データとして学習させると、特許データベースにある全データを対象に関連の強さを表す数値を算出し、その数値が高い順に既存特許データを提示する。

 従来品では日本と米国の特許データを収めたデータベースを搭載していたが、新版では新たにWIPO(世界知的所有権機関)、欧州、中国の特許データベースを追加(2019年2月)する。さらに、教師データ設定時に従来はすべて手動で設定していたものを一部自動化した。発明内容を記載したデータのうち「請求項」を指定すると、教師データとして必要と考えられるほかの項目を自動的に判断して設定する。

 FRONTEOは今後、Patent Explorer 19に続いて、各種専用アプリのエンジンをKIBITからKIBIT G2に置き換え、新版として発売する予定だ。

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