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SNSのメッセージを分析して親に“いじめアラート”--子どもを危険から守るエースチャイルド - (page 2)

藤井涼 (編集部)2018年10月31日 11時00分
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子どもから相談を受けたい自治体を支援する「つながる相談」

 Filiiに続く2つ目の柱として、同社が2018年3月から提供しているのが、マルチSNS相談窓口プラットフォーム「つながる相談」。LINEやTwitterなどのSNSで、子どもからの相談を受け付けたい自治体・団体・企業などをサポートするサービスだ。すでに、厚労省や福島県、北海道、鳥取県、和歌山市などのSNSで活用されており、2018年度内もさらなる利用拡大が予定されているという。

「つながる相談」
「つながる相談」

 LINE社は2017年9月に2週間にわたり、LINE相談専用アカウント経由で長野県内の中高生約12万人から悩み相談を受け付けたところ、前年度1年間の電話相談約260件を大きく上回る約1580件のアクセスがあり、そのうちの3分の1に当たる約550件の相談に乗ることができたという。この結果を受けて、各自治体がSNSによる悩み相談窓口を設けようとしているが、経験が浅く運用ノウハウや管理スキルがない自治体も少なくない。そこをエースチャイルドが支援するという。

 「スマートフォンだと顔も声も知られないので、面談や電話と比べるとハードルが一気に下がる。また、リビング以外でのスマートフォン利用を禁止している家庭もあるので、リビングで友だちとLINEをしているフリをしながら、悩みを相談できることも重要」(西谷氏)。

 つながる相談は、ウェブサイトやパンフレットのQRコードから、各自治体のいじめ・悩み相談のSNSアカウントをフォローした子どもから寄せられた意見や相談を、一元管理して対応できるプラットフォーム。どのような相談がきていて、どの担当者が対応しているのかを把握できる。共通のシステムで入力・返信できるため、相談員がSNSを意識せずに使えることも特徴。LINEやTwitter、Facebookなどに対応しているほか、留学生の相談にも応えるためにWeChatへの対応を進めているという。

相談員の専用画面
相談員の専用画面

 サービスの仕組みはこうだ。各自治体は相談員の数にあわせて回線数を設定し、その数を超える相談があった際には、混雑中であることを伝えて、先に悩みのアンケートに答えてもらうように誘導する。待ち時間に、診断テストやチェックリストで自己の状況を認識してもらい、それでも自己解決が難しい子どもとは、問題点が整理された状態で相談員がSNS相談にのる。また、順番待ちの子どもの回答や書き込み内容などから、緊急性の高い悩みは優先して対応する。

 「相談の窓口に勇気を出して連絡したのに、スルーされたり、ずっと待たされたりしてしまったら、二度目の連絡は来ないかもしれない。このシステムなら、緊急なものにはすぐに対応できる」と、中学校と高校で教員の経験を持ち、教育委員会にも所属したことのある、同社のエデュケーショナル・ストラテジストである飯島淳氏は話す。

「つながる相談」の仕組み。カウンセラーの意見を反映しているという
「つながる相談」の仕組み。カウンセラーの意見を反映しているという

 子どもたちから寄せられる相談内容は、各自治体が設ける窓口によってさまざま。「友だちとうまく話せない」といった整理できない心のモヤモヤを伝えるようなものから、「教科書を破られた」といった具体的ないじめの内容を伝えるもの、「今からに死にます」など緊急性のあるものまで幅広いという。

 同社ではシステム提供だけでなく、相談を受ける体制の構築も支援している。臨床心理士と精神保健福祉士で構成されるチームによって現地の相談員を育成し、地元の人々の知見を生かして子どもが相談しやすい窓口を設けるパターンと、SNS相談を請け負っている団体を紹介するパターンのいずれかによって、SNS相談を受ける体制を作る。各学校の温度感などを地元の教育委員会とすり合わせながら決めているという。

ネットの使い方の啓蒙活動やプログラミング授業も

 同社では、この2つのサービス以外にも、子どもの感性を育てたり、安全に暮らすための取り組みを進めているという。

 たとえば、「つながる世界の歩き方」というオウンドメディアを運営しており、安全なインターネット利用や最新の技術の理解を深められるような情報を発信している。大阪大学の心理学研究室や、インターネット協会などから寄稿を受けているほか、子育て世代からの育児情報も含めた、低年齢でのスマホ利用についての情報も発信しているという。

オウンドメディア「つながる世界の歩き方」
オウンドメディア「つながる世界の歩き方」

 また、プログラミング教育を中心とした授業や教材づくりにも取り組んでいる。現在、特定の公立学校のニーズをもとに、「VOCALOID for Education(初音ミク)」を利用した“プログラミング×音楽”の授業や、「Minecraft Education Edition」を利用した“プログラミング×社会“の授業などを企画中。そのほか、LINEを活用した英会話や英検などの学習プラットフォームの開発なども進めているという。

 「教員はものすごく忙しく、情報モラル教育やプログラミングまで手が回らない。そこで、われわれが学校とともに授業を作っていきたい。将来的には、塾などより幅広い団体と一緒に、子どもたちの将来をテクノロジによって支えていきたい」(西谷氏)。

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