インテルは10月24日、ソニー生命保険で理事を務める鈴木国正氏が11月1日付で代表取締役社長に就任すると発表した。日本の事業責任者として暫定的に代表取締役社長を務めてきたScott Overson氏は、米本社のセールス&マーケティング統括本部に帰任する。
鈴木氏は、ソニー執行役員のほか、ソニーアルゼンチン社長、VAIO事業本部長、ソニー・コンピュータエンタテインメント副社長、ソニーモバイルコミュニケーションズ社長などを歴任。10月末日でソニー生命を退任する。Intelの日本事業責任者として、Intelが進めるデータを主軸においた戦略を推進するという。
日本の社長人事にあたり、米本社では組織の経営や顧客との関係を深めることができ、Intelを理解し、馴染み深い人物を探していたという。米本社のセールス&マーケティング統括本部 副社長 兼 グローバルマーケッツ&パートナーズ 本部長を務めるShannon Poulin氏は「マーケティング組織の経営に加え、パートナーや顧客の管理、Fortune 2000の企業からコンシューマー関連の顧客までを担当できるふさわしい人物を見つけることができた」と手応えを語る。
「3月でソニーから離れた後、ソニー生命でアドバイザをしていた。ソニーでキャリアを終えるつもりだった」という鈴木氏は、就任に3つの魅力を感じたという。
1点目はIntel自体の魅力だ。「1999年くらいからVAIOのビジネスでIntelと深く関わっていたが、エンジニアリングへの純粋さや顧客志向、ネットワークデバイス普及への強い思いなど、非常に良い印象を持っている。今でも彼らの顔が浮かんでくるほどで、私だけでなくともに仕事をしていた仲間全員がそう感じていたはず。すぐに溶け込めると感じている」(鈴木氏)と語った。
2点目は自分の経験との類似点があるという。「エレクトロニクスからPC、PlayStationからネットワークの普及へと、ソニーの内部でトランスフォーメーションを推進してきた。PCからスマートフォン、データセンターというIntelのフォーカスと非常に似ている」(鈴木氏)と説明する。
「マネジメントチームと同じ言葉で会話ができると思う。言うは易し、行うは難しだが、経験を生かしたい」(鈴木氏)
3点目には社会的な役割を挙げた。「データや人工知能(AI)、コネクティッドなど、第4次産業革命と表現されるような時代を迎えている。最終的な絵に違いはあるかもしれないが、企業、政府、国などのほぼすべて、地球全体で何らかの影響を受けることは間違いない」(鈴木氏)と今後の社会情勢を見通す。
自身の経験と「Intelというシリコンバレーの象徴のような」企業が担う役割に魅力を感じたと説明。「本格的なBtoBを学ぶ必要など勉強しなければならない点もあるが、ソニーでの経験とIntelの強さを足し算し、ビジネスパートナーと社会の成長に貢献したい」(鈴木氏)
Intelでは、現代表取締役社長のOverson氏が就任した際に日本からのレポートラインをアジア太平洋から米副社長であるPoulin氏に変更しているが、鈴木氏の就任にあたる変更はないという。Poulin氏は「日本は経済、PC市場の規模、どちらも3位となっている。データを中心とする市場でもあり、私たちにとってとても重要。直接レポートをもらい、トータルで見ていきたいと思っている」と狙いを語った。
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