Bill Gates氏が率いるBreakthrough Energy Venturesは現地時間10月17日、欧州委員会と共同で1億ユーロ(約130億円)のクリーンエネルギー投資ファンドを立ち上げた。「Breakthrough Energy Europe」(BEE)と呼ばれるこのパイロットプロジェクトの狙いは、欧州の企業がクリーンエネルギー技術を開発して市場に投入するのを支援することだ。
欧州委員会がニュースリリースで述べたところによると、Breakthrough Energy Europeは気候変動を食い止め、「パリ協定の約束を果たす」取り組みの一環であり、「現代的でクリーンな経済への世界的な移行が浸透しつつあることを資本市場と投資家に強く示す」ものだという。
Gates氏が会長を務め、著名な投資家や起業家が参加するBreakthrough Energy Venturesは10億ドル以上を注ぎ込んで、電気、農業、製造、輸送、建物の排出削減に取り組む企業を支援している。
「地球の大幅な温暖化を阻止するためには、家庭や自動車に電力を供給する方法だけでなく、ものを作り、食料を育て、人々や物資を輸送する方法も画期的に変えることが必要だ」とGates氏は同日、ブログに書いている。
欧州におけるこのたびの提携によって、Breakthrough Energy Venturesのミッションは「強力に後押し」されるとGates氏は述べた。今回の1億ユーロは、欧州委員会とBreakthrough Energy Venturesが半分ずつ出資する。
同氏はリリースの中で、「われわれは気候変動がもたらす最悪の影響を回避するために新しい技術を必要としている。欧州は研究開発に素晴らしい投資を行うことで、重要なリーダーシップを発揮した。気候変動に対処するためのイノベーションを開発している研究者や起業家は、世界市場に向けてイノベーションを提供できる企業を発足するための資本を必要としている。Breakthrough Energy Europeはそういった資本を提供することを目的としている」と述べた。
Breakthrough Energy Europeはそのほかの分野の取り組みにおいても模範になれると、欧州委員会はニュースリリースの中で述べている。
欧州委員会委員長のJean-Claude Juncker氏は、欧州が経済と産業を近代化させ、地球を守ることは必要不可欠だと述べている。「革新的で新しいクリーンエネルギー技術への公共と民間で共同出資することは、温室効果ガスの排出量を削減するための長期的な解決策を実現する鍵だ」とJuncker氏は述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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