Adobe Senseiの音声分野での活用として「Project Kazoo」が紹介された。これは、インプットした音声データをもとに、バイオリンや異性の声を生成できるというもの。しかも、「Voice Follow」機能により、しゃべりながら録音することで、“しゃべる楽器”として音声を生成する。オートチューン機能も備えており、歌音痴でもスムーズな演奏が可能という。これは、MIDIベースとは根本的に異なり、機械学習ベースで音声の特徴を抽出しているとのことだ。
フォントの未来を感じたのが「Font Phoria」だ。これは、加工を施した1つの文字をもとにすべての文字を同じスタイルで生成でき、フォントを持ち合わせてないポスターの文字修正やスマートフォンのカメラに写り込んだ文章に生成したフォントをリアルタイムで被せることもできる。デモでは、チーズのような穴加工を施した「C」を作成し、「CHEESE」というワードに一発で加工を適用させたほか、スマートフォン向けキャプチャアプリ「Adobe Capture」を使って、カメラが捉えた手書きレター風のフォントの特徴を抽出。普通のフォントのように使うことができ、Captureが読み取った文章にリアルタイムでそのフォントをはめ込むことができる。
3Dモデルのジオメトリを狂わせることなく簡単にパーツのサイズ変更や修正が可能な「Project Model Morph」。3Dモデルに変更を加える場合、通常はジオメトリがあっているかを確認しながら、モデルを構成する頂点を変更する必要がある。しかし、Project Model Morphでは、3Dモデルの対の部分を自動認識してシンメトリーになるように編集できる。このため、もとの3Dモデルから簡単にカスタム可能となった。
ブラシを塗るだけで雨や星空のアニメーション効果を追加でき、小雨から土砂降りまで表現できる「brush bounty」。雨音を鳴らすこともできる。また、髪の毛になるブラシでは風に吹かれるモーションや、スマートフォンの傾きにあわせて髪をなびかせることもできる。さらに、各地域の気象データと連携しており、降雨量にあわせてリアルタイムで雨を降らせることができる。また、SNSの反応に応じてエフェクト量を変更できる機能もあり、デモでは元気玉のようなエフェクトがツイート数に応じてリアルタイムに大きくなる様子を披露した。
パッケージデザインで便利なのが「Fantastic Fold」。これは、複雑なパッケージのデザインを支援する機能で、平面のパッケージデザインを3Dアニメーションとして折り畳まれる様子を可視化できる。さらに、完成パッケージの状態でロゴやステッカーを貼ったりとデザインすることで、平面時の印刷パターンを起こしてくれる。複雑な造形にも対応しており、折り鶴を折った状態のモデルにステッカーを貼ることで、折りたたむ前のデザインを生成するデモを披露した。
VR空間内のバーチャルカメラをスマートフォンで“眺めながら”記録できる「Project Waltz」。作成した3Dモデルをバーチャルカメラで映像化する際、カメラの動きを指定するのに、キーフレームを打つなどタイムライン操作にどうしても時間がかかる傾向にあった。Project Waltzでは、スマートフォンをバーチャルカメラのファインダーとして、巨人のように動き回ったり、手持ちで撮影したようなブレ感のある映像の撮影を実現。デモでは、戦闘機のコクピットの中にバーチャルカメラを置き、気流の粗さをスマートフォンを揺らしながら再現していた。
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