位置情報ゲーム「Ingress」や「Pokemon GO」を手がけるNianticは、10月12〜21日の10日間にわたり、六本木ヒルズで「INNOVATION TOKYO 2018 - AR PLAY GROUND WITH NIANTIC」を開催中だ。このイベントは、同社の考える「位置情報」と「AR」による新たな世界を一般来場者が誰でも体験できる場となっている。
同イベントでは、Pokemon GOで毛利庭園内に隠れているポケモンの鳴き声を集めながら、庭園内の自然の音もあわせて楽しむことで街の魅力を再発見できる「Pokemon GO AR庭園」 や、1000分の1スケールで精巧に再現された東京の都市模型に、Ingressの世界観をプロジェクションマッピングとARグラスで表現する「AR Roppongi x Ingress」などを展開している。
そして、10月17日から六本木ヒルズの大屋根プラザで初公開されるのが、同じ空間にいる複数人の参加者同士でビームを撃ちあえる新感覚ARゲーム「Neon」(コードネーム)だ。プレイヤーはスマートフォンの画面に表示される地面の光を集めて、それを対戦相手にぶつける。最も得点の高いプレイヤーには、王冠が表示される仕組みとなっている。
筆者も一般公開に先駆けてNeonを体験してみた。地面に落ちている白い光の近くまで歩いてそれを拾い、続けて相手に向かって画面をタップするだけで攻撃ができるため、細かいルールなどを知らなくても楽しめる。また、IngressやPokemon GO以上に複数人でリアルタイムにゲームを楽しんでいることを実感できた。ただし、もちろん物理的な武器を持っているわけではないので、傍から見れば少々シュールな光景といえるだろう。
同社は、Pokemon GOやIngressで培った技術やデータを活用して、より多くの人がARと位置情報を活用したアプリを作れるARプラットフォームを開発している。その中でも力を入れているのが、多人数が同時に遊べる技術「リアルタイムARテクノロジー」だ。今回披露されたNeonは、それをテストするために作られたサンプルゲームだという。そのため、今後正式にサービス化されるかは未定だ。
クラウド上に自分の位置情報をアップロードするARクラウド技術を使った場合、数100ミリ秒以上かかる位置共有を、端末同士を直接P2Pで通信させることで10ミリ秒以下に抑え、プレイヤーが「いた」場所ではなく、「いる」場所を把握しているとのこと。そのため、かがんで光をかわしたり、リアルタイムに反応したりすることが可能になっているという。
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