狩猟用デバイスを手がけるhuntech(ハンテック)は10月11日、獲物の捕獲時にモバイル端末に通知を送るIoT機器「スマートトラップ」の新モデルである「スマートトラップ2」を11月12日に発売すると発表した。価格は3万3800円。別途システム利用料として月額980円が発生する。いずれも税別価格。
スマートトラップは、本体を中心に最大半径100m以内であれば、タグを取り付けた罠を5つまで管理できるIoTデバイスで、本体(親機)1機にタグ(子機)5機で構成される。ワイヤーを使って足を縛り付ける仕組みの「くくり罠」に、加速度センサを内蔵したタグを設置すると、罠にかかった際に暴れる動物の動きに反応して管理者に通知メールが送信される仕組みだ。これにより、猟師の負担となっていた見回りの頻度を大幅に減らすことができる。
新たに発売するスマートトラップ2は、親機・子機構成(1つの3G通信モジュールに5つの検知センサを無線で接続)から、各機に検知センサと3G通信モジュールを搭載する構成に変更。これにより従来の課題となっていたバッテリ持続時間が、最長9日間から2カ月間に延長された。また、通信の安定性も向上し、罠猟や獣害対策の効率が上がったという。
同社では、野生鳥獣被害が深刻な地方の自治体などに向けて、2019年末までに既存モデルとあわせて1000台の販売を見込んでいる。また2019年夏までに、3G回線の届かない山間部などでも導入が可能になるLPWA(Low Power Wide Area)通信への対応を予定しているという。
さらに、近年は捕獲された野生鳥獣の「ジビエ」としての活用も盛り上がりを見せていることから、捕獲後の食肉加工・流通プロセスのログを保存・管理できるプラットフォームの開発など、ジビエの流通体制に関わる事業を拡大していく予定だという。
huntechは、代表取締役の川崎亘氏が会社の同期などと3名で立ち上げた企業だが、すべてのメンバーが副業で活動しているのだという。川崎氏が地元に帰った際に、シャッター街となり活力の失われている街をみて、「地域に恩返しをしたい」という思いから同社を設立したと説明する。近年は、猟師の高齢化も深刻なことから、スマートトラップによって狩猟活動に貢献したいとしている。
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