LINEが明かす「トークンエコノミー」の全貌--グルメや旅など5つの“dApp”サービス - (page 2)

LINEが展開する5つのサービスとは?

 LINE取締役CSMOの舛田淳氏は、今回提供するdAppサービスの領域を選定した理由として、「これまでのインターネットやモバイル時代でもユーザーニーズが高く、ユーザー参加型として成長している領域」と説明。CGMサービスを長年手がけてきたナレッジを生かしやすく、かつトークンエコノミーと相性の良い5領域を選んだようだ。

 まず、wizballは、知識共有プラットフォームとして疑問や知識に価値を置き、質問者と回答者などすべてのアクションに対してLINK Pointを付与する。価値を正しく適切に評価する仕組みを回すことで、Q&Aサービスの課題になりがちな、回答の品質や専門性を確保し、ユーザーが参加し続けられるモチベーションを維持するという。また、wizballでは、ユーザー以外にもIT、医療、恋愛、料理、健康などの分野で認定専門家を配置することで、専門的かつ正確な回答をもらうこともできる。すでに9月13日からベータ版がローンチしており、10月下旬にはアプリ版を提供するという。

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Q&Aサービス「wizball」
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質問者への回答に対してリワードが発生する

 4CASTは、お題を出してそれに対して予測を投票してもらうことでコミュニティを活性化する未来予測プラットフォーム。参加ユーザーが知識や知恵をもとに予想し合うことで、より精度の高い未来予想ができるようになるという。いち早く投票した人など、サービスの活性化(未来予測プラットフォームの価値が向上する)に貢献したユーザーに対し、LINK Pointが付与される。ブロックチェーンにより、ユーザーも運営者も未来予測を改ざんできず、恣意的にコントロールすることができないという。4CASTもベータ版を9月4日から提供している。

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未来予測プラットフォーム「4CAST」
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それぞれのお題に対してコミュニケーションを取りながら予測する
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サービスの活性化に貢献した人にインセンティブを付与する
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「4CAST」内のお題
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予測を投票する

 Pashaは、身の回りにあるさまざまな商品の写真を撮影してレビューできる商品レビューサービス。検索して商品を調べることもでき、投稿やレビューをしたユーザーには、インセンティブが付与される。さらに、サービスにまだ登録されていない商品をユーザーが登録でき、それに対してもインセンティブが与えられるという。商品の写真を撮影することで、画像認識技術から類似の商品を提示する。舛田氏は、「みんなで作る商品図鑑」と説明した。2018年第4四半期にローンチ予定。

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商品レビューサービス「Pasha」
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商品を撮影するだけで画像認識技術が商品を特定する

 tapasは、Pashaと同じ仕組みで、飲食店のレシートをtapasのカメラで読み取ることで評価できるグルメレビューサービス。レシートは、tapas側が自動解析し、メニューごとでのレビューが可能になるという。また、レシートを基準としているため、レビューのハードルを下げることができるほか、来店していないユーザーによる恣意的な評価を防ぐこともできるとしている。こちらも、投稿などによるインセンティブが付与される。2018年第4四半期にローンチ予定。

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グルメレビューサービス「tapas」
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レシートを読み取るため、それぞれのメニューに対してもレビューできる

 STEP(仮)は、写真や位置情報、タグによって旅行の思い出を記録できるサービス。思い出は、BOOKと呼ばれるフォーマットで登録され、それを公開することもできる。公開されたBOOKの閲覧数が増えるほど評価が高まり、LINK Pointが付与される。2018年第4四半期にローンチ予定。

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スポットSNS「STEP(仮)」
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思い出をBOOKという形で記録できる

LINK Pointをもらうには、dApp内に貯まる“専用ポイント”が必要

 なお、国内で展開されるLINK Pointは、国内法に従い、換金性が伴わないため仮想通貨ではなくポイントに近い。そのため、1LINK Pointが最小取り扱い単位となる。先述の通り、1LINK Pointは500LINEポイントに換金できるものの、換金にはそれぞれのdAppサービス内で付与される独自ポイントを一定数貯める必要がある。

 4CASTの場合、1LINK Pointに交換するためには、5000 4CASTポイントが必要となる。つまり、各dAppサービスを使ってLINEポイントを得るためには、dApp内ポイント→LINK Point→LINEポイントの交換ステップを踏む必要がある。なお、LINKは仮想通貨のためこうしたステップは必要ない。LINEが提供するdAppのLINK Pointについては、インセンティブとしてLINEによる持ち出しになるという。

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アクティビティに対して付与されるのは、dApp内ポイントのみとなる。ある一定数が貯まるとLINK Pointに交換できる

 また、dAppの収益化については、アプリやウェブとそれほど変わりないという。トークンの仕組みは、ユーザーのエンゲージメントを上げる効果が主体であり、それをもとに広告化することで収益化するパターンになるという。また、獲得したLINKをもとに、各プラットフォーム内で使える、EC、コンテンツ課金にも波及するとしている。LINEでは、今後もdAppの提供を進めていくという。

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今後のロードマップ

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