英国グラスゴー大学の研究チームは、電力または水素ガスを任意のタイミングで放出可能な新方式のエネルギー貯蔵技術を開発した。貯蔵に使うナノ分子を含む液体を実用化すれば、ガソリンなどの液体燃料を給油して走らせるエンジン自動車のように、この液体を入れて動かす電気自動車(EV)が実現できるという。
このエネルギー貯蔵方法の基盤となる技術は、電力または水素を蓄え、オンデマンドで放出する機能を備えるナノ分子。得られる電力を直接EVに与えたり、水素を燃料電池へ供給して発電に使ったり、といった応用が考えられる。
ナノ分子を含む液体は、電力または水素を発生させる一種のバッテリとみなせるため、研究チームは「hybrid-electric-hydrogen flow battery」(「バイブリッド電気水素フローバッテリ」)と呼ぶ。実用化できれば、この液体を入れて動かすEVが可能となり、ガソリン車などに給油するのと同程度の時間で「充電が済むようになる」としている。
新しい液体を入れる際に抜き取る使用済みの液体は、「充電して再利用」できるそうだ。
同技術の詳細については、英国の科学誌「Nature Chemistry」に掲載された論文「Highly reduced and protonated aqueous solutions of [P2W18O62]6- for on-demand hydrogen generation and energy storage」を参照されたい。
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