SHIBUYA BIT VALLEYについては、「20年前にビットバレーが生まれた時、各社はネットに閉じていたが、いまはテックカンパニーの活躍領域が、オートモーティブやヘルスケア、スポーツなどに拡大している。地面や空間との関わりが積極的に持てる時代であり、われわれの頑張りが渋谷という場所でどんどん目立っていく時代だと思っている」(南場氏)と語り、ビットバレーの再興に協力したいと意気込んだ。
2018年に20周年を迎えたサイバーエージェント。藤田氏が渋谷に近い青山学院大学の卒業生だったこと、そして東京の中でも若者が集まる街であったことから渋谷にオフィスを構えたという。自身も1990年代後半のビットバレーの真っ只中にいたと前置きしつつ、「当時はかなり“パリピ感”があった」と振り返る。また、当時は技術者も少なかったが、「それから20年が経ち、いまや当社の社員数8000人の過半数がエンジニアになっている。時代が変わり、渋谷という土地に集まってくる人の質も変わった。(ビットバレーを)新たに仕切り直しすることには非常に意義がある」と思いを語った。
渋谷でのイベントや人材交流の機会を増やすだけでなく、渋谷という街自体が大きく変わることもSHIBUYA BIT VALLEYの活動を後押ししている。東急グループが進める再開発プロジェクトによって、今後数年の間に渋谷駅周辺に大型の商業施設やオフィスビルが次々と建ち、そこに大手IT企業各社が移転するためだ。
すでにDeNAは渋谷ヒカリエに入居しているが、サイバーエージェントとミクシィは2019年に開業予定の「渋谷スクランブルスクエア」に移転し、GMOグループも2019年に開業する「東急プラザ渋谷」に移転する予定。また、もともと渋谷のセルリアンタワーにオフィスを構え、現在は六本木ヒルズに入居するグーグルが、2018年9月に開業したばかりの「渋谷ストリーム」に2019年中に移転し、渋谷に戻ってくる。
この状況に藤田氏は「渋谷にはもう入れるオフィスがなかったが、(再開発によってビルが増え)一気にビジネス都市に変わる」と話し、熊谷氏も「2年後には渋谷駅に降りると周りはすべてIT企業が入っている巨大ビルになる。そうなると、飲食店などもIT系の人ばかりになりコラボレーションが増える。人が集まるとチャンスや情報も集まる」と期待を寄せた。
同日のカンファレンスでは渋谷区長の長谷部健氏も挨拶。渋谷区では小中学生に対して1人1台タブレット端末を貸し出すなどICT教育に力を入れている。すでにDeNAとともにプログラミングアプリを無償提供しているが、今後はより多くの企業のエンジニアと学校との連携ができるのではないかと話す。また、地元のお祭などとコラボし、たとえば盆踊りの名前を“渋谷ビットバレー盆踊り“に変えるといったシナジーも出せるのではないかと話し、渋谷区としてもSHIBUYA BIT VALLEYの活動を支えていく姿勢を見せた。
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