バンダイナムコアミューズメントは、VRエンターテインメント施設「VR ZONE」2店舗で9月13日から稼働を開始するVR新作アクティビティ「冒険川下りVR ラピッドリバー」をメディア向けに公開した。
本作は、体験者が協力してオールを操作し、ルートの分岐を決めたり障害物を避けたりしながら幻の遺跡を目指し、川下りの冒険を体感できるVRアクティビティ。大阪で9月13日にオープンする「VR ZONE OSAKA」とあわせて導入し、新宿で運営中の「VR ZONE SHINJUKU」でも同日から稼働する。
専用マシンに、最大4人が2人ずつ背中合わせに座り、VRヘットセットとシートベルトを装着。そしてVR空間ではパドルとなる、トラッカーのついたスティックを手にして、漕ぐようにして動かす。ちなみに現実では搭乗者が背中合わせとなるが、VR空間では前後に座り、同じ方向を向く。
内容はボートの激流下りで、左に曲がるときは右側に乗り込んだ搭乗者がパドルを漕ぎ、右に曲がるときは左側の搭乗者がパドルを漕いで操作。ボイスチャットに対応しており、お互いに声をかけあいながら、岩などの障害物にぶつからないように進んでいく。ルートでは分岐もあるほか、あまり多くぶつかりすぎると最後までたどり着けず沈没する要素もあるという。
マシンの特徴としては、シートが上下の振動だけではなく、テレビの回転台がイメージできるような、左右に回転する仕組みを取り入れている点。川の動きやパドルを漕いだ回数などをリアルタイムで計算し、それにあわせてヨーイング(左右の回転)運動をすることで、VR酔いを感じさせず3D空間の自由移動を可能にしたという。
筆者も実際に体験したが、かなり激しく迫力のある川下りを体験することができた。高低差があり落下したような感覚もさることながら、急に勢いを増して動き出す感覚、そしてなかなか思うように動かせず障害物にぶつかりそうになる恐怖、そんななかでも「右」や「左」、「こちらが漕ぎます」といった声の掛け合いから生まれる仲間意識など、大きな魅力を感じた。
そして、激しい動きがあるなかでもVR酔いのような不快感は全くなかった。実際にプレイしている様子を見ていると、シートは初期の位置からは左右90度ぐらいまで回転しており、VR空間内ではそこまで動いている感覚はなかったが、自分の体の向きや動きとマシンのヨーイング運動が適切に連動している査証でもあるようにも思う。酔いに関しては個人差があるものの、本作における酔いの低減については、開発スタッフも自信があるポイントだとしている。
ちなみに本作は、激流下りをテーマとしてゴムボート風のシートやオールが搭載された、1997年のアーケード向け体感シミュレーションゲーム「ラピッドリバー」から着想を得たもので、ある意味では同作をVRで再現したタイトルでもあるという。同じようにアーケード向け「プロップサイクル」から着想を得たVRアクティビティ「極限度胸試しハネチャリ」に続く流れのものでもあり、ハネチャリの開発チームが本作も手掛けている。
また、今回のマシン開発ではVR空間での乗り物コンテンツにも応用が利くと語る。例えば車や戦車の運転、ヘリコプターの操縦といったものにも活用できるものとし、コンテンツの可能性をさらに広げるものだという。開発スタッフ側では「これまでナムコ時代から長年手掛けてきた体感型アーケードゲームのマシン開発と、近年積み重ねてきた体感型VRコンテンツのノウハウを結集して生み出した、集大成的なVRアクティビティ」と自信を見せていた。
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