Armは、数十年にわたるIntelのPC市場支配を弱めるほど強力だと考えるチップについて、2020年までのロードマップを発表した。
Armが設計したチップは、Qualcommが主に製造しているプロセッサのおかげで、スマートフォン市場を支配している。2018年現在、QualcommのArmプロセッサはまた、「Windows 10」搭載のノートPCにも進出し、HP、レノボ、ASUSが採用したほか、サムスンが近く発売する製品にも使われる見込みだ。
これらのノートPCは、バッテリの駆動時間が長く、4G対応だが、600ドル(約6万6000円)以上という価格は安くなく、性能面でIntelの「Core」チップに遠く及ばない。
しかし、Armは5月末に発表した最新設計のチップ「Cortex-A76」が、Intelの最上位チップ「Core i7」に比肩し、パフォーマンス面で自社の旧型チップより35%向上すると宣伝している。
MicrosoftはQualcommと協力し、Qualcommの「Snapdragon」チップ(次期製品「Snapdragon 850」を含む)を搭載するデバイス向けにWindowsの最適化を続けている。サムスンもSnapdragon 850を採用し、同社初となるArmベースのWindows 10搭載ノートPCを売り出す。こうした状況から、ArmプロセッサのPC市場進出にはある程度の勢いがあるように思われる。
Armは今回、PC市場向けにCortex-A76の後継チップを発表した。2019〜2020年に新しいノートPCに搭載される見込みだ。
後継チップの開発コード名は「Deimos」と「Hercules」だ。Armによると、Deimosは15%超のパフォーマンス向上をもたらし、Herculesはさらにそれ以上のパフォーマンス向上(数字は未公表)が実現するという。
Deimosチップは7ナノメートル(nm)プロセスで、Herculesは7nmおよび5nmプロセスでそれぞれ製造される。
Armのクライアントビジネス担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー、Nandan Nayampally氏は次のように述べた。「クライアントCPUのロードマップは、5Gがすべてのクライアントデバイスにもたらす抜本的なイノベーションを活用するよう策定されてきた」
「これにシリコンや半導体チップ製造のパートナーによるイノベーションが結びつき、ArmのSoCはx86の支配を打ち破り、今後5年間でWindows搭載ノートPCと『Chromebook』において相当の市場シェアを獲得することが可能になる」(Nayampally氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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