パイオニアは8月6日、2019年3月期第1四半期(4〜7月)の連結業績を発表した。カーエレクトロニクスのOEM事業などの増加により、売上高は838億円(前年同期は833億円)と前年並みとなったが、営業損益はOEM事業における減価償却費の増加や為替の影響を受け、16億円の赤字(同2億円の赤字)、経常損益は20億円の赤字(同12億円の赤字)、当期純損益は67億円の赤字(同20億円の赤字)と損失を拡大した。
会見には、6月にパイオニアの代表取締役兼社長執行役員に就いた森谷浩一氏が登場。就任後初の決算会見となった。
カーエレクトロニクス分野では、新規事業のテレマティクスサービスやOEMカーオーディオは順調に推移したものの、市販カーオーディオ、OEM、市販カーナビゲーションシステム事業が減収となり、売上高は702億円(同692億円)と前年比横ばい、営業損益は14億円の赤字(同3億円の黒字)となった。
その他分野では、FA機器と生産、販売を受託するDJ機器は増加したが、ホームAV、電子部品が減少し、売上高は136億円(同142億円)、営業損益は4億円良化した。
今後のカーエレクトロニクス事業の施策については、OEM事業、市販事業、地図事業・自動運転関連のそれぞれについて進捗状況を説明。OEM事業については「抜本的な見直し施策を秋頃に発表する予定。現在協議、交渉を続けている」とし、詳細は明らかにしなかったが、収益の柱に位置づける市販事業については「5月に新商品を市場に導入した。新規事業のテレマティクスサービスは売上を順調に拡大している。将来の成長ドライバである地図、自動運転関連は『3D-LiDAR』の開発を進めており、9月から2018年モデルを順次出荷する予定だ」と説明した。
森谷氏は「パイオニアを取り巻く環境は大変厳しいと認識している。第1四半期の営業損益は前年同期を下回っているが、想定どおりの実績。早期に新しいパイオニアの姿を社内外に示せるようにしたい」と今後についてコメントした。
パイオニアでは2019年3月期通期の連結業績を、売上高3800億円(2018年3月期実績は3654億円)、営業損益を50億円の赤字(同12億円の黒字)と前回同様の数字に据え置いた。当期純損益については、OEM事業の見直し施策を策定中のためとして、前回に引き続き留保した。
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