マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームは、壁に隠れて見えない人の姿勢や動きをとらえて可視化する技術「RF-Pose」を開発した。専用の送信機からの電波が人体で反射されるをパターンをニューラルネットワークで解析し、人の動きをいわゆる“棒人間”アニメとして出力する。
実際に機能するRF-Poseシステムを作るにあたり、研究チームは、動く人の映像と、そのときの電波反射パターンデータを組み合わせてニューラルネットワークに学習させた。その結果、電波の反射パターンから人の歩く、立ち止まる、座るといった動作を推測できた。さらに学習を続けさせたところ、カメラで人の姿をとらえられない壁越しの動きまで、ニューラルネットワークは推測できるようになった。
研究チームは、この技術が医療分野で活用可能と考える。例えば、パーキンソン病や多発性硬化症、筋ジストロフィーなどを患っている人の動作を詳しく調べ、治療方法の調整に役立てられると見込む。また、一人暮らしをしている高齢者の動きを別の部屋からRF-Poseでとらえれば、プライバシーに配慮しながら転んで怪我をしたり病気で倒れたりといった異常事態を発見できる可能性がある。
医療分野のほかにも、建物に閉じ込められるなどして見えない人を捜索する救助活動や、各種ゲームなどへの応用も考えられるという。
RF-Poseの紹介ビデオ(出典:MIT/YouTube)
専用の送信機から発射された電波の反射具合をもとに解析する旨を追記しました。
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