MIT、体内の医療デバイスへワイヤレス給電する技術--バッテリ搭載が不要に

 マサチューセッツ工科大学(MIT)とBrigham and Women's Hospitalの研究チームは、体内に置かれた医療デバイスへワイヤレス給電する技術を開発した。実用化できれば、体内に埋め込んだ電子デバイスに、バッテリを搭載する必要がなくなる。

体内の医療デバイスへワイヤレス給電する技術(出典:MIT)
体内の医療デバイスへワイヤレス給電する技術(出典:MIT)

 MITでは、経口摂取できるカプセル状の小さなデバイスで胃腸検査する技術などを研究している。この種のデバイスは電子回路を搭載するため、バッテリを内蔵させなければならない。その結果、サイズが大きくなるし、バッテリを使い切るとデバイスは寿命となる。MITは胃酸で発電する小型「レモン電池」も開発したものの、利用できる場所は限られる。

 こうした問題を解消しようと、MITは電波で体内のデバイスへワイヤレス給電する技術を開発。動物の組織を使って実験したところ、給電装置を組織表面から1m離れた場所に設置し、10cmある組織の下に埋め込んだデバイスへ電力を伝送できたという。

 体外から電力を供給することで、バッテリ非搭載の小さなデバイスを治療目的などで飲んだり埋め込んだりできる。デバイスに無線通信機能を付加すれば、診断に必要なデータの取得も可能になる。研究者らは、こうした治療や検査を可能とする医療技術を「In-Vivo Networking(IVN)」と呼んでいる。

体外からの指示で投薬するデバイス(出典:MIT)
体外からの指示で投薬するデバイス(出典:MIT)
脳内で治療をするデバイス(出典:MIT)
脳内で治療をするデバイス(出典:MIT)
開発した技術の紹介ビデオ(出典:MITのFadel Adib氏/YouTube)

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画広告

企画広告一覧

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]