HomeAway、民泊施設に古民家を徹底活用--地方に送客、空き家対策も

 HomeAway、一般社団法人全国古民家再生協会、楽天LIFULL STAYの3者は6月4日、古民家を活用した民泊運営に関して、業務提携を結んだと発表した。国内外の旅行客に向け、古民家の認知、価値拡大を図る。

左から、ホームアウェイ 日本支社長の木村奈津子氏、全国古民家再生協会事務局長の井上幸一氏、楽天LIFULL STAY 代表取締役の太田宗克氏
左から、ホームアウェイ 日本支社長の木村奈津子氏、全国古民家再生協会事務局長の井上幸一氏、楽天LIFULL STAY 代表取締役の太田宗克氏

 全国古民家再生協会では、築50年以上の物件を古民家に指定しており、現在日本に128万棟ほどあるとのこと。今回の業務提携では、全国古民家再生協会が日本全国の古民家物件を供給し、楽天LIFULL STAYがリノベーションから運用、集客までをサポート。古民家を宿泊場所として、HomeAwayに掲載することで、国内外から集客する。

古民家を活用した民泊運営に関する3者の役割
古民家を活用した民泊運営に関する3者の役割

 古民家は、日本文化が体験できる場として魅力的な宿泊場所。しかし築年数が古いため、冬場は寒く、Wi-Fiなどの最新設備が用意できない、水回りが心配など、不安要素があることも事実だ。今回の業務提携では、古民家をリノベーションすることで、民泊用の宿泊施設として活用することが目的。地方にも数多くの古民家があるため、地方への送客と、空き家対策としての役割も担う。

 全国古民家再生協会では、新たに「古民家宿泊鑑定」を設け、認定する古民家鑑定士が古民家を鑑定することで、安心、安全な物件の開発を担保。鑑定は20項目から構成され、耐震性、気密性、快適性などに加え、古民家に値するかなどの要素も含めているという。

 対象物件には、鑑定書が付けられるほか、民泊施設としてウェブサイトに掲載する際に「古民家宿泊鑑定済ロゴ」を付与。ロゴマークを表示することで、宿泊施設選択時の目安とする。現在、福岡県うきは市の古民家が対象物件に選定されており、6月15日の民泊新法施行までに4~5棟の物件を選定する予定。全国古民家再生協会事務局長の井上幸一氏は「初年度に30棟くらいの認定を目指したい」としている。

古民家宿泊鑑定書
古民家宿泊鑑定書
「古民家宿泊鑑定済ロゴ」
「古民家宿泊鑑定済ロゴ」

 HomeAwayは、2005年に米国でサービスを開始。2015年にエクスペディアグループとなり、現在23言語、50サイトを運営する世界最大級のバケーションレンタル会社だ。少人数での利用が多いAirbnbに比べ、ファミリーやグループなど複数人での利用を想定しており、別荘や住宅をまるごと貸し出す「1棟貸し」物件を多く持つことが特徴。そのため、地方やリゾート地との親和性も高い。

HomeAwayとAirbnbの違い
HomeAwayとAirbnbの違い

 今回の古民家活用に関しては、1棟貸し、地方といったキーワードがHomeAwayの強みと重なる。HomeAway日本支社長の木村奈津子氏は「古民家は日本全国に128万件あり、そのうち利活用できるのは64万件程度。50%以上が宿泊施設として利用でき、供給量は多い。ただ、地方に多く存在しているため、現状のままでは民泊運用のノウハウがない。そこで、今回は楽天LIFULL STAYに加わっていただき、民泊事業の支援と運用をしていただく」と、業務提携の流れを話した。

 民泊施設の運用を担う、楽天LIFULL STAY 代表取締役の太田宗克氏は「楽天グループ総力で民泊施設オーナーをサポートする。古民家運用でもワンストップでサービスを提供し、地方の宿泊事例を作り、新たな宿泊体験を盛り上げていきたい」とコメントした。

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